東京大学らは、長半減期核種のテルル-118を用いた新しいin vivo PETイメージング法を開発した。半減期が長い親核種から生じる娘核種を利用し、従来の数時間程度から数週間のin vivo PETイメージングを可能にした。
東京大学は2026年5月12日、長半減期核種のテルル-118(Te-118)を用いた新しいin vivo PETイメージング法を開発したと発表した。半減期約6日のTe-118が体内でアンチモン118(Sb-118)へ壊変し、そこから放出される陽電子を利用する二段階原子核壊変により、長期間にわたる画像診断を可能にした。福島県立医科大学らとの共同研究による成果だ。
従来のPET検査で用いられるフッ素18(F-18)などは、半減期が数十分から数時間と短く、抗体やナノ粒子のように体内を数週間かけて移動する高分子の動態追跡には適していなかった。今回開発した手法は、Te-118が娘核種Sb-118に壊変し、さらに陽電子放出により安定核種スズ-118(Sn-118)に変換する二段階原子核壊変を利用。Sb-118の半減期は約3.6分と短いが、親核種のTe-118は6日と比較的長いため、体内でPET信号が生まれ続けるジェネレーターシステムとして機能する。
研究グループは、AVFサイクロトロンを用いてSn-116の核反応と化学分離、精製によりTe-118を製造。これをマウスに投与したところ、3週間が経過した後も十分な強度でPET画像が得られることを実証した。
PET画像とCT画像を重ね合わせた解析では、投与した核種が肝臓や脾臓に集積する様子を明瞭に捉えており、摘出臓器の放射能測定結果とも一致した。これにより、長期間にわたる医薬品分子の体内動態や、安全性プロファイルの詳細な解明が可能になる。
今後は、抗体などの標的指向性分子への標識技術の確立を進める。この技術が実用化されれば、従来の短寿命核種では困難だった長期的な薬効評価や、新たな臨床診断手段の開発に寄与することが期待される。
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