資生堂は共創プログラム「fibona」より新美容液を発表。独自技術で成分結晶化の課題を解決した。研究所併設の最小工場を活用し、プロトタイプを市場と共に磨き上げるアジャイルなモノづくり手法に迫る。
資生堂は2026年1月27日、横浜市みなとみらいの研究開発拠点「資生堂グローバルイノベーションセンター(GIC)」において、同社の「フリュイド結晶化抑制技術」を搭載した美容液「フリュイドセラム」を発表した。GIC主導のオープンイノベーションプログラム「fibona(フィボナ)」が開発した共創プロダクトである。
新開発の「フリュイドセラム」は、整肌保湿成分「グリシルグリシン」を高濃度で配合した美容液だ。グリシルグリシンは、毛穴の引き締めや肌のキメを整える効果が期待される成分だが、これを高濃度で配合すると、塗布後に水分が揮発する過程で成分の結晶化が発生するという課題があった。肌上で結晶化が起きると、成分が皮膚へ浸透しないことに加え、結晶によって使用感にざらつきが生じてしまう。
そこでfibonaは「イオン液体」の特性に着目した。通常は融点の高いイオン性の物質同士でも、特定の組み合わせで配合することで、元の物質の融点より低い温度で液体になる。これを応用し、固体のグリシルグリシンにクエン酸や乳酸などを含むAHA(アルファヒドロキシ酸)を配合することで、成分そのものをイオン液体化するフリュイド結晶化抑制技術を開発した。これにより、水分が揮発した後の肌でも成分が結晶化せず、液体(フリュイド)を維持することが可能となった。
資生堂は以前よりイオン液体技術の化粧品応用を進めており、美白有効成分「4MSK(4-メトキシサリチル酸カリウム塩)」においては、その皮膚浸透性を高める「4MSK/フリュイド浸透促進技術」を既に開発している。今回のフリュイドセラムは、その知見をベースに、2025年よりグリシルグリシンに特化した技術開発に挑戦し、実装に成功した。
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