非染色生細胞画像から細胞の状態解析が可能なソフトウェアを発売医療機器ニュース

横河電機は、細胞イメージングシステムや一般的な光学顕微鏡で撮影された非染色生細胞画像から、細胞の状態解析が可能なソフトウェア「CellActivision」を発売した。

» 2015年10月19日 08時00分 公開
[MONOist]

 横河電機は2015年10月1日、非染色生細胞画像から細胞の状態解析が可能なソフトウェア「CellActivision(セルアクティビジョン)」を発売した。主に、製薬メーカー、創薬・再生医療などの研究機関、再生医療等製品の製造ラインでの用途に向ける。

 基礎研究段階での生細胞観察では、細胞に蛍光染色などを施し、レーザーなどを照射して観察するが、照射による光毒性などで細胞が変質する可能性がある。そのため、前臨床・臨床分野や人体に投与する実用段階では、顕微鏡を使った人の目視など、非染色での観察が行われ、詳細な解析は困難だったという。

 同社では、2015年6月にフィンランドのChip-Man Technologiesから譲渡された非染色画像解析技術を基に、今回新たにCellActivisionを製品化。機械学習技術を細胞認識に適用することで、細胞イメージングシステムや一般的な光学顕微鏡で撮影された非染色生細胞画像の形態情報に基づき、細胞の種類や活性(各種機能の活発さ)をコンピュータ上で詳細に認識・解析可能にした。

 例えば新薬の薬効評価には、時系列で薬効の確認が必要となる。同製品は、形態から細胞を解析するため、細胞を固定して蛍光染色する必要がなく、少ない細胞で時系列的に薬効評価ができる。

 また、移植を前提とした再生医療等製品では、研究・製造過程の品質把握のため、蛍光染色せずに細胞密度などを評価する必要がある。そのため、人による顕微鏡目視が不可欠だったが、同製品を使うことで、顕微鏡目視を必要最小限に抑え、品質評価の効率化・均質化が可能になるとしている。

photo CellActivisionのCell Image Analysis Tool画面

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