CYBOとがん研究会有明病院らは、3D画像取得技術とAI解析ソフトで構成される自律型デジタル細胞診システムを開発した。多施設評価で専門家に匹敵する高い検査性能を示した。
CYBO(サイボ)は2026年2月19日、がん研究会有明病院細胞診断部などと共同で、新技術「ホールスライド・エッジ・トモグラフィー」とAI(人工知能)解析ソフトを用いた臨床グレードの自律型デジタル細胞診システムを開発したと発表した。1124例を対象とした多施設評価試験において、AIによる検査性能は専門家と比較してROC-AUCが0.9前後の数値を示し、臨床に求められる性能を確認した。
同技術は既に「CYBO Scan」として製品化されており、子宮頸部(けいぶ)以外の臓器(肺、甲状腺、乳腺、泌尿器など)への応用や、遠隔診断、人材育成、国際共同研究への展開も視野に入れている。
開発したシステムは、大量の細胞を3D画像として取得できるホールスライド・エッジ・トモグラフィーと、取得したデータから細胞を自動で分類/定量化するAI技術で構成される。
ホールスライド・エッジ・トモグラフィーは、奥行きの位置を徐々にずらすことで細胞集塊の異なる断層面を観察できる。また、断層画像を集積して立体構造を再構成することも可能だ。
AI解析では、画像から抽出した形態特徴量に基づいて細胞をラベル付けする「形態分化クラスター(CMD)」という独自概念を導入した。これにより、従来のカテゴリーラベルだけでは捉えにくい中間状態も含めた、標本上の細胞集団全体で定量的な細胞診が可能になる。1標本当たり数万〜百万個の細胞を検出し、軽度扁平上皮内病変(LSIL)や高度扁平上皮内病変(HSIL)といった異型細胞を自動で分類できる。
4施設で実施された共同評価試験では、LSIL陽性症例の検出でAUC 0.86〜0.91、HSIL陽性症例の検出でAUC 0.89〜0.97を達成した。ヒトパピローマウイルス(HPV)検査結果を基準とした検証では、一部の項目でAIの精度が専門家を上回る結果が得られた。これにより、細胞診における主観性や施設間のばらつきを低減し、客観的なリスク層別化やトリアージが可能になるという。
細胞診には、従来の2Dスキャンでは個々の細胞を十分に観察できないことや、目視による検査業務の負担が課題となっていた。
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