クルマ好きの学生たちの「悲喜こもごも」車を愛すコンサルタントの学生フォーミュラレポ2015(2)(8/8 ページ)

» 2015年10月08日 10時00分 公開
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大会を終えて

 グラーツ大学の初出場・初優勝が話題になった第13回大会ですが、こうしてピットで取材をしているとチームごとにさまざまな思いでこの大会に臨んでいることが分かります。大学名は書きませんが、会場に向かう途中で、マシンを運搬していたトラックが横転事故を起こし、幸いにも乗員にはケガはなかったものの、マシンが大きなダメージを受け出場を断念したチームもありました。

 今大会のエントリーチーム数は90、国内が75、海外が15でしたが、総合優勝のグラーツ大学(オーストリア)をはじめ、10位のモンクット王工科大学トンブリ校(タイ)、13位の同済大学(中国)と海外チームの活躍も目立ってきています。

  >>今大会の結果は全日本学生フォーミュラの公式サイトからもダウンロード可能です。

 学生フォーミュラに取材として訪れたのは、これで4回目になりましたが、そのたび感じるのは「若者のクルマ離れなんて信じられない! こんなにクルマ好きの学生が日本中から、いや世界から集まってきているではないか!」ということです。われわれ大人たちにできるのは、彼らが“苦しくも楽しい”「学生フォーミュラ」という活動に熱中できる環境を作ることだと思っています。

 大会事務局やスポンサーはもちろん、大会運営に当たる多くのボランティアの皆さん、大人たちも本当に頑張っています。こんなに素晴らしいモーターイベントをもっと多くの方々に知ってもらえるように記事を書くことが筆者にできることです。

 次回の第14回大会も必ずレポートすることを約束して、ペンを置きます(実際には「PCの電源を落とす」か? 笑)。

 ……その前に、筆者が勇気を振り絞って「Can I take your pictures?(写真を撮ってもいいですか?)」と声をかけて撮影した、タイの元気な女子大生たちの写真を紹介して、この記事をしめましょう。

「サワディーカ!」

 全2回の記事を最後までお読みいただきありがとうございました。

筆者紹介

関伸一(せき・しんいち) 関ものづくり研究所 代表

 専門である機械工学および統計学を基盤として、品質向上を切り口に現場の改善を中心とした業務に携わる。ローランド ディー. ジー. では、改善業務の集大成として考案した「デジタル屋台生産システム」で、大型インクジェットプリンタなどの大規模アセンブリを完全一人完結組み立てを行い、品質/生産性/作業者のモチベーション向上を実現した。ISO9001/14001マネジメントシステムにも精通し、実務改善に寄与するマネジメントシステムの構築に精力的に取り組み、その延長線上として労働安全衛生を含むリスクマネジメントシステムの構築も成し遂げている。

 現在、関ものづくり研究所 代表として現場改善のコンサルティングに従事する傍ら、各地の中小企業向けセミナー講師としても活躍。静岡大学、静岡理工科大学、早稲田大学大学院、豊橋技術科学大学で講師として教鞭をにぎる。



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