ピットの奥に佇む白と赤に塗り分けられた美しいマシンが目に止まりました。立命館大学の「RF-012」です。渉外担当の植松さんにお話を聞くことが出来ました。
S 今回の大会はいかがでしたか?
植松さん(以下U) 実は動的審査に全く出られませんでした。騒音試験に通らなかったのです。バッフルを変えたりいろいろとやったのですが、100dBの基準をクリアできませんでした。今回のコンセプトは「美しいマシン」で、見た目も走りも美しいことを狙ったのですが。静的審査は前回よりも良かったので、走れなかったのは本当に残念です。
S このマシンの仕上がりは「素晴らしい!」「美しい!」と一目で分かりました、いやぁ、本当に美しいマシンですよ。
U ありがとうございます。
S 美しさの他に特長は?
U 今回からエアロデバイスにチャレンジしました。そのデバイスが映えるように、ボディ前半分を白、後ろ半分を赤に塗り、その境目に黒のラインを入れました。あと、可変吸気デバイスも導入しました。エアチャンバーの容量を変えることにより、走行条件に適した吸気条件にすることが可能です。
S スピードやスロットル開度、その他もろもろのパラメータをECUで計算させてフィードバックするんですね。でも、そこのプログラミング難しいでよね。
U はい、今回初めてのチャレンジなので、ドライバーの意見や、さまざまなデータを分析して作り上げていきました。いいものが出来たと思っています。
S マネジメントはいろいろと苦労するでしょう?
U やはり費用面ですかね。メンバーには部費以外でお金をねん出してもらったり、新しいスポンサーを探したり。あ、このカウルの塗装は新しいスポンサーさんにやっていただいたんですよ。
S ここまで仕上がったマシンだから、あとは騒音を通せばいいんだけど、事前に測定はしたんだよね?
U もちろん測定したのですが、今回の測定器は4気筒に不利なようで、残念ながら……。
S そうですか。でも「美しいマシンは速い」ので、次回も頑張ってくださいね!
U はい! ありがとうございます!
実のところ、「騒音で車検が通らない」と言うチームも少なくはないようです。騒音測定器の性能も若干ですが個体差はあるはずですし、基準ぎりぎりでひやひやしながら審査を受けるのではなく、余裕を持った消音装置で「騒音審査で落ちるはずがない」という姿勢で臨むべきだと感じました、次回は美しいRF-013がエンデュランスで疾走する姿を見たいものです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.