クルマ好きの学生たちの「悲喜こもごも」車を愛すコンサルタントの学生フォーミュラレポ2015(2)(1/8 ページ)

車とバイクが大好きなモノづくりコンサルタント 関さんの「全日本学生フォーミュラ大会」取材レポート! 今回は各チームのピットにお邪魔して、いろいろな話を聞きました。

» 2015年10月08日 10時00分 公開

 前回はエンデュランス競技での各校の様子や、激戦の末にオーストリアのグラーツ大学が初出場・初優勝を遂げたことをお伝えしました。今回はピットレポートをお送りします。参加チーム数は90を数え、さすがに全チームへの取材は無理……、しかもエンデュランス競技真っ最中でしたので、本コラムに掲載されたチームの方々はラッキーですよ!(本当か? 笑)

静岡理工科大学(SIST Formula Project)

 まず訪れたのは、開催地元・静岡県袋井市の静岡理工科大学、「ホストチーム」といってもいいでしょう。筆者もここ3年ほどスポンサーとして微力ながら支援させていただいているチームです。チームリーダーの千頭和優斗さんにお話を伺いました。

筆者(以下S) 今日(2015年9月5日)の午前中にあったEV(電気自動車)のエンデュランス競技の結果はどうでした?

千頭和さん(以下C) 結果から言うと、リタイアでした。車検まではスムーズだったのですが、3日目(9月3日)の動的審査で発生したアクセルエラーの対応に追われ、何とか万全の状態でスタートしたのですが、5周目でハブが破断しました……。実は破断のトラブルは練習中にICV(内燃機関自動車:ガソリン車)でも出ていたのですが、EVの方は新しい部品だったのであまり気にしていなかったんです。

S う〜ん、一見、「落とした穴」のように感じるけど、「あ、これはEVでも同じトラブルが発生しそうだ」というリスクへの感性が欲しかったね。ICVの方はどうでした?

C ICVは昨日エンデュランスを完走したのですが、やはり3日目の動的審査でエンジンから煙を吹いてしまい、消火器で対処して発火を免れるという事態に。部品交換など修理して何とか走行可能な状態にはしたのですが、もはやセッティングがどうこうという問題ではなく、エンジンも不調で、不本意なタイムでゴールしました。

筆者注:それでもエンデュランス競技の順位は13位、出走57台中完走が28台だったのですから、立派な成績だといえます。

S じゃあ、今回はマシンもメンバーもまさに「不完全燃焼」だったね。

C 自分は今回で最後の大会なので、来期のメンバーにさまざまなノウハウを残していきたいと思います。

S シングルゼッケンになったのはいつだったっけ?

C 2012年の10回大会で総合8位になり、2013年の11回大会でゼッケン8番になりました。

S またシングルゼッケンに戻らなきゃね! 地元だし! 頑張ってくださいね!

 静岡理工科大学はICV部門ではトラブルを抱えながらも、静的審査、動的審査で着実に得点を重ね、総合17位と、前大会より順位を上げました。9台出走したEV部門では総合優勝! 3連覇です! ホストチームとしての役割は十分に果たしたのではないでしょうか(千頭和さんのお姿、写真撮るの忘れました! ごめんなさい……!)。

静岡理工科大学のSFP15のシートに収まる観客の男の子。真剣なまなざしは、まさにレーシングドライバー気分かな?

(左)スポンサーステッカーあれこれ。「関ものづくり研究所」の下に筆者の元勤務先のステッカーが。(右)ハブが壊れ、ブレーキローターまで大きく変形してしまったSFP15EVのホイール

       1|2|3|4|5|6|7|8 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.