車とバイクが大好きなモノづくりコンサルタント 関さんの「全日本学生フォーミュラ大会」取材レポート! 2015年の第13回大会は「ある変化」がありました。そして前回の覇者・名古屋大学、エンデュランス競技でトラブルが……!
2015年9月1〜5日、静岡県袋井市・掛川市内の小笠原総合運動公園(通称「エコパ」)で「第13回 全日本学生フォーミュラ大会」(以下、学生フォーミュラ大会)が開催されました。2014年はうっかり遠方への出張を入れてしまい、取材・観戦ができませんでしたが、2015年はしっかりレポートさせていただきます。
>>2014年大会はアイティメディア入社1年目(当時)の陰山記者が取材しました!
今回観戦したのは最終日、“大会の華”であるエンデュランス競技です。3日目までの競技で上位にいるチームが出走するとあって一番観客が集まる日です。
第10回大会までは金曜日が最終日だったのですが、第11回からは土曜日となり、それ以来1万人を超える観客が、この「将来の日本の自動車業界を支える人材の一大イベント」を訪れるようになりました。
今回は午後にエンデュランス競技を走行した6チームの走りを中心にレポートし、第2回にはピットレポートを掲載していきます。
学生フォーミュラ大会を取材するためには事前登録が必要です。筆者はいつもMONOistの編集担当さんに手続きをお願いしています。事前登録をすると、自動車技術会からプレスキット(取材用の書類一式)が届きます。
今回のプレスキットを見て少し驚きました。今回から会場レイアウトが大きく変わっていたからです。
以前はこの図の上方の「動的イベントエリア」でマシンが走り、その北側の東第一駐車場に各チームのピット(テントや車両運搬車)が並んでいました。
2015年大会は、エコパスタジアムに事務局機能を集約していて、ピットはスタジアム外周をぐるっと回る形で配置されました(下図)。ちょうど観客席の真下に当たる部分であり、「大きな軒下」といった感じです。
これは、近年頻発するゲリラ豪雨に対する安全対策ですね。チームにとってはテントを設置しなくてもいいし、突然の雨に慌てなくて済むし、トイレはすぐそばにあるし……と、メリットが多くあります。
限られた会場スペースの中で、各チームのピットスペースは年々縮小されてきており、キャパシティは限界レベルに到達しております。同時に、昨年の第12回大会では、雷雨に見舞われ避難場所が不足しており充分な対応ができず、また過去には台風の直撃を受け、審査スケジュールに大きく影響が出ました。(原文ママ)
ただし、そこから動的イベントの会場まで1km以上の距離があるため、主催者側が用意したセーフティーローダーで運搬しなければなりません。運搬タイミングの制約の他、最低地上高が極端に低く、かつフロントオーバーハングが長いマシンをローダーに積むのに苦労するといった問題も生じました。
とはいえ、まずは皆さんの安全確保が大事であって、問題については今後、改善をしていけばいいことです。会場で参加チームメンバーの10人ほどにこの件について聞いたところ、7人が「細かい問題はあるけど、いいと思います」と答えていました。
車両をチームの皆で動的イベント会場まで押していくというほほえましいシーンが見られなくなったのは、個人的にはちょっと残念かな……? と思いました。
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