「第12回 全日本学生フォーミュラ大会」が2014年9月2〜6日の5日間、静岡県袋井・掛川市内の小笠山総合運動公園(通称「エコパ」)で開催された。MONOistでは、EV(電気自動車)部門を連覇した静岡理工科大学チームを密着取材。勝利の秘訣は「シンプルなマシン」というコンセプトだった。
自動車技術会が主催する「第12回 全日本学生フォーミュラ大会(以下、学生フォーミュラ)」が2014年9月2〜6日の5日間、静岡県袋井・掛川市内の小笠山総合運動公園(通称「エコパ」)で開催されました。学生フォーミュラは、学生が企画から設計、製作までを行った1人乗りのフォーミュラカーでさまざまな競技を競う大会です。車両の走行性能だけでなく、設計コンセプトやコスト、プレゼンテーションなども審査対象となるため、総合的なモノづくりの力が試されます。
2014年度の第12回大会には過去最多となる96チームがエントリー。ICV部門(内燃機関自動車)では、前年度の覇者、京都大学を2位に抑えた名古屋大学が総合優勝に輝きました。
さて、例年MONOistメカ設計フォーラムでは、車を愛すコンサルタントこと関ものづくり研究所の関伸一さんに学生フォーミュラのリポート記事を執筆してもらっています。
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今回は諸事情により関さんが学生フォーミュラ大会の期間中エコパに来れないとのこと。そこで替わりと言っては何ですが、MONOist新人編集がリポートに挑戦することになりました。
しかし、経験豊富な関さんのように参加チーム全体について考察するのはとても無理。そこで、1つのチームに絞って密着取材することにしました。今回取材させてもらったのは静岡理工科大学チーム。
学生フォーミュラは、2013年の第11回大会からEV(電気自動車)部門が正式種目に追加されています。静岡理工科大学チームは記念すべき初のEV部門の優勝チームなのです。そして今回の第12回大会のEV部門でも優勝し、連覇を果たしました。そこで、同チームのマネジメントを担当している大坪恭平さんに、今回のチームや開発したマシンなどについて聞きました。
静岡理工科大学チームは、ICVとEVの両部門にエントリーしており、1年間に2台のマシンを製作しています。同チームの部員数は総勢25人で、これは学生フォーミュラに参加しているチームの中では多くも少なくもないくらい。大坪さんが「とにかく若いチーム」と語る同チームの部員構成は、学部3、4回生が2人ずつ、2回生が11人、1回生は10人となっており、大会への参加経験が豊富な上級生が少なめとなっています。
こうした状況の中、上級生が下級生をリードしながらチーム全体で2台のマシンを完成させたそうです。「車両開発の技術をまだ習得していない下級生に上級生が付き、少しずつ技術を教えていった。2台のマシンを製作するのはとても大変だが、チーム一丸となって何とか完成させることができた」(大坪さん)。
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