学生フォーミュラレポート、最終回である今回は、80校を超える参加校のテントが並び、若者の熱気があふれるピットエリアでのインタビューをお伝えする。
2013年9月3〜7日、静岡県袋井市・掛川市内の小笠原総合運動公園(通称「エコパ」)で「第11回 全日本学生フォーミュラ大会」(以下、学生フォーミュラ大会)が開催され、昨年、一昨年に続いて観戦に行ってきました(過去の取材記事)。
前回まで、エンデュランス審査(直線・ターン・スラローム・シケインなどによる周回路を走行。22kmの耐久走行のタイムを競う)の模様をお伝えしました。最終回である今回は、80校を超える参加校のテントが並び、若者の熱気があふれるピットエリアでのインタビューをお伝えします。
静岡理工科大学「Sist Formula Project」のチームリーダー 村田晃弘(以下M)さんにインタビューしました。
関(以下S) エンデュランスは残念だったね、リタイアの原因は?
M ドライバー交代時の車両チェックでブレーキフルードのにじみが指摘されました。
S エンジンが吹け切っていなかったようですが?
M オートクロスのときに比べて吹けていないのは、燃調マップの違いです。エンデュランスでは薄めのマップを使い、ラップタイムは一周2秒伸びますが、燃費は40%よくなります。
S なるほど、タイムと燃費のバランスを狙ってるんだ。今年の活動を振り返って、どうでしたか?
M 結果が全てなんですが……、車両は正常進化をコンセプトとして、信頼性を向上させました。テスト走行も昨年の倍以上の距離を走り、不具合を出し切り対策したつもりだったのですが最後の最後で……
S 昨年は成績がジャンプアップ、そして今年はリタイア。その繰り返しで進歩していくしかないんだろうね。今何年生なの?
M 4年生です。今までのノウハウをしっかり後輩に伝えます。
S そうだね! 期待しています!
横浜国立大学「YNFP」のチームリーダー 村井佑旨(以下MI)さんにお聞きしました。
S このマシンのレイアウト(第1回参照)は今回の話題を集めたよね。ロングホイールベースワイドトレッドの狙いは?
MI 旋回のモーションを進入〜途中〜脱出の流れで考えた時、コーナリング進入時は回転中心がリアアクスルから徐々に前方に移動してきます。その場合、接地点は回転中心から遠い方がヨーモーメントを受け止めやすくヨーレートの立ち上がりが良くなると考えました。その分マスを後方に寄せることで慣性モーメントを小さくしてコーナリングパフォーマンスを高めています。
S その狙いは達成できた?
MI まだデータ分析ができていませんので、何とも言えないのですが……。
S コーナリングの安定性は群を抜いていたと思うよ。実況アナウンスの方も絶賛していたし。トレッドは実際どれくらい広げたの?
MI 以前は1150mmでしたが、昨年から1270mmに広げ、スキッドパッドでいい成績を収めました。今年はホイールベースも伸ばしたということです。
S ドライバーの意見はどう? コーナリングでワイドトレッドが邪魔なんてことはない?
MI いいえ、気にならないとのことです。ステアリングの切れ角も増やしているので、曲がりやすくなっています。
S カウルデザインもキレイだし、来年度以降、他チームに影響を与えそうな素晴らしいマシンだよね。
MI ありがとうございます。
S 来年も期待しています!
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