前回に引き続き、周回路の耐久走行審査「エンデュランス」を走行した学生たちのフォーミュラカーを紹介。今回は上位校編! 会場のピットエリア内の「EV展示コーナー」で見た初音ミクのバイク「MIRAI・TT零13」も紹介する。
2013年9月3〜7日、静岡県袋井市・掛川市内の小笠原総合運動公園(通称「エコパ」)で「第11回 全日本学生フォーミュラ大会」(以下、学生フォーミュラ大会)が開催され、昨年、一昨年に続いて観戦に行ってきました(過去の取材記事)。
前回に引き続き、エンデュランス審査(直線・ターン・スラローム・シケインなどによる周回路を走行。22kmの耐久走行のタイムを競う)の模様をお伝えすることにします。前日までのオートクロス審査(直線、コーナー、スラロームからなる約900mのコースの1周タイム)、上位6校の出走です。
シンプルなカウリングと黒基調のボディカラーが相まって非常にコンパクトなマシンに仕上がっています。エンジンも軽量なヤマハ「WR450F」を搭載しています。エンジン始動がうまくいかずスタート時間に間に合わなかったので、120秒のペナルティが課せられ、エンデュランスの順位は18位、競技に「たられば」はありませんが、2人目のドライバーのスキルは相当に高く、もしエンジン始動がうまく行っていれば6位相当のタイムでした。
単気筒エンジンの軽量さとピックアップの良さというメリット、始動性の悪さというデメリットをどう燃調(燃料調節)でバランスさせるか。そこが1つのKSF(Key Success Factor)だと思います。モーターサイクルのキャブレター車時代、排ガス規制でとてつもなく始動性が悪かった2005年式あたりのヤマハSR400をついつい思い出しちゃいますが、インジェクションならキャブ(キャブレター)より簡単にできるはず!
総合成績は13位と昨年よりジャンプアップしましたが、来年の10位以内を期待しています!
そういえば、筆者はツーリング先でエンジンが掛からなくて困っていた女性ライダーを助けようと、キック50発くらい踏んでようやく始動。翌日から3日間右足が筋肉痛だった、というつらい思い出を持っています。あれじゃー、彼女はバイクを嫌いになっちゃいますよ……。
フロントタイヤを覆う、独特なノーズデザインの大阪産業大学のマシン、「OSUF-13R」はカワサキ「ZX6-R」の高性能4気筒エンジンを搭載。多分ノーマルマフラーをそのまま流用していると思われ、実に静かな排気音で好感が持てます。実況アナウンスからも「このマシンは個人的に欲しい!」と絶賛の声が。
2人のドライバーも高いレベルでタイムをそろえ、エンデュランスの順位は4位の好成績を残しました。コスト審査などの静的審査での得点が伸び悩み、総合では17位となりましたが、昨年の35位からジャンプアップ! 来年は静的審査にも力を入れば10位以内間違いなしの実力を持っています。
常にシングルゼッケンを背負う大阪大学は、今年もライムグリーンをアクセントにしたカラーリングでカワサキ「ZX6-R」のエンジン搭載をアピール、フロントウィングの形状も独特です。
エンジンパワーは十分すぎるものの、コーナリングの姿勢から、ややリアのロールが大きいように見えました。フレーム剛性なのか、それともリアウィングの保持方法によるものなのか……。
2人目のドライバーのスキルが高く、1分4秒台、そして3秒台とファステストラップ更新を続けます。大会関係者に「遅くて悔しくないのか?」と言われ発奮しているとの実況アナウンスが会場の笑いを取っていました。エンデュランスの順位は2位、その他の競技でもコンスタントに上位を占め、第10回に続いて総合2位となりました。おめでとうございます!
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