中部電力は、東京ガス、直本工業と共同で、工場の生産ラインで加熱・乾燥などに用いられるハイブリッド式過熱水蒸気発生器「ハイブリッドSHS」を開発した。ガスバーナーと電気ヒーターの併用により、消費電力を抑えることができる。
中部電力は2015年9月2日、東京ガス、直本工業と共同で、工場の生産ラインで加熱・乾燥などに用いられるハイブリッド式過熱水蒸気発生器「ハイブリッドSHS」を開発したと発表した。食品工場や自動車工場などを対象に、11月に直本工業より発売する。
過熱水蒸気とは、100℃以上の高温の水蒸気のことで、工業用途で用いる過熱水蒸気発生器には、主に電気式とガス燃焼式がある。今回、電気式の精密な温度制御性とガス燃焼式の高効率な加熱を生かしてハイブリッド方式とすることで、従来は困難だった消費電力の抑制と精密な温度制御の両立を可能にした。
新開発のハイブリッドSHSは、設定温度に合わせ、最適な運転割合で高精度温度制御と消費電力削減を両立できる制御システムを搭載。低負荷運転時は電気ヒーターで単独運転し、中負荷・高負荷運転時はガスバーナーと電気ヒーターを併用で運転する。これにより、設定温度(最高温度400℃)に対して±5℃の温度制御を可能にした。1次エネルギー消費量は、電気式の過熱水蒸気発生器に比べて約35%低減。さらに、コンパクトな設計で、オーブンや乾燥装置などへの組み込みも容易だという。
価格は300万円程度(税別・工事費別・制御装置別)で、組み込む生産設備により異なるという。
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