金型屋さんが生み出した自社製品ブランド――MGNETの武田修美さんに聞くzenmono通信(4/4 ページ)

» 2014年09月22日 10時00分 公開
[zenmono/MONOist]
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等身大のモノづくりを

enmono宇都宮氏 今後、コラボレーションを増やしていかれるのですか?

武田氏 そうですね。もれなく金型がついてきますので、イニシャルコストがはけるものにならないと難しいのですが。そこも足かせになる部分が多くて、MGNETというイニシャルコストがかからなそうな名前の別会社を立ち上げた、ということもあります。MGNETは、Make good networksの略です。金型屋は特にそうなんですけれど、モノづくりをしていく上で、自社だけでできることって少ないんです。そこの環境を良くしていくことを一番に考えた会社が、1社くらいあってもいいかなと。

enmono宇都宮氏 ネットーワークは、企画方面にも販売方面にも広がりますね。

武田氏 今は業種問わず、さまざまな仕事をしています。社名を出さずに、裏に回ってやっているのも結構あります。MGNETが軌道に乗り始めると、武田金型の自社ブランド企画もコラボレーションが増えてきました。武田金型の技術がメーンでお話をいただいているんだなというのが多くて、2010年くらいから「武田金型のPRになっている」と感じるようになりました。私自身の今までの活動もそうですけれど、「これでいけるぞ」と思ってやっていることって、ほどんどなくて。それがきっかけとなって派生することの方が多いので。朝と夕方で言っていることが違う、とか。この間、「それは時代を相手にしているからだ」と、ある会社の社長さんに褒められたんですけれども。「株価も変わるじゃないか。だから戦略なんて変わって当たり前だし、一緒の方が怖い」と言われて、安心しました。

enmono宇都宮氏 いろいろやっておられるけれども、軸になる部分は何ですか?

武田氏 「日本のモノづくり、製造業に少しでも役に立てる場所をつくっていきたい」ということです。それが、一番の軸かなと思います。武田金型の看板を背負っているというか、(社長の)倅なので。それと、見た目のボンボン感は大事にしていこうと思っています(笑)。

enmono宇都宮氏 最後に、日本のモノづくりの未来に対しての武田さんの思いを教えてください。

武田氏 日本人が持っているDNAに、モノづくり精神のようなものがあるような気がします。それを刺激して、ハレーションを起こしていきたいんですよね。製造業という角度からくすぐるよりも、今までモノづくりできなかったところとか、いろんな角度から。製造業同士とか、メーカーさん同士だと割としっかりしたモノづくりができるんですけれど、そうでないところで。

enmono宇都宮氏 技術がないけれどもアイデアとか思いがあったりするところを、MGNETさんがつないでいくという。

武田氏 お手伝いするのではなくて、一緒にやる。少しでも若い人達に「面白そうだな」と思ってもらえる、等身大のモノづくりをやっていきたいと思います。

enmono宇都宮氏 ありがとうございます。

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