金属加工がしたいメイカーズのための秘密基地zenmono通信(1/2 ページ)

モノづくり特化型クラウドファンディングサイト「zenmono」から、モノづくりのヒントが満載のトピックスを紹介する「zenmono通信」。今回は、関東精密の杉田勇さんにお話を伺った。

» 2014年12月08日 10時00分 公開
[zenmono/MONOist]


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本記事はモノづくり特化型クラウドファンディングサイト「zenmono」から転載しています。


enmono宇都宮氏 まず、杉田さんの自己紹介、関東精密さんの紹介をお願いします。

杉田氏 社名のとおり、「関東」にある「精密」機械加工の会社です。名前は大きいですが、規模は小ぢんまりとしています。お客さまは車、食品、衛生、半導体関係など多岐にわたり、主に部品加工をやっています。

enmono宇都宮氏 (創業から)何年くらいになるのですか?

杉田氏 40年です(1973年創業)。代表を継いだのは、6年前(2008年)です。

enmono宇都宮氏 2代目ですか?

杉田氏 はい。“特殊な”2代目です。

enmono宇都宮氏 特殊と言うと?

杉田氏 先代と工場長がやっていた会社なんですが、先代とは血縁関係がありません。工場長とは、前の会社で知り合いました。その工場長に「一緒にやらないか」と、引っ張られまして。先代と工場長の後に会社を継いでくれないか、と。それが、工場長が会社を継ぐ時になって、辞めちゃったんですよ。継ぐ気持ちはあったのですが、その時は唐突に来ました。僕が株を買い取るという形でお金をお支払いして、継がせていただきました。個人M&Aみたいなものですね。先に代表になって、会社が借金して、借金したものを僕が借金して、それを先代にお支払いしていました。先代には今も、「あんたに継いでもらってよかった」と言ってもらえています。

enmono宇都宮氏 会社を継ぐって、大変ですね。

杉田氏 起業するよりは楽でした。継いだ時はリーマンショック前で、たくさん仕事があり、気楽な気持ちもあったんです。設備もある状態で引き継ぎましたし、先代の借入金がゼロだったのです。でも、リーマンショック後は仕事がなく、売上は急激に下がりました。運転資金もなくなり、銀行から借増してなんとか持ちこたえると、今度は忙しくなって。新しい機械と場所を、同時に導入しました。

enmono宇都宮氏 かなり投資をされたのでは?

杉田氏 リーマンショック時の借金とは違い、前向きな借金でした。それからは、売上も上がってきました。

enmono宇都宮氏 ここ最近はどうですか?

杉田氏 キャッシュが回らなくなっています。おかげさまで、仕事はいただいていますが、それ以上に足りない設備が出てきたり、工具を買ったりしているからです。

enmono宇都宮氏 仕事の幅が広がって、設備が必要になったということですか?

杉田氏 そうですね。会社を継ぐ前、取引先は1社でした。1社依存は怖いと感じ、取引先を増やしていきました。商談会に参加したり、横浜青年経営者会などの会で、つながりを増やしたり太くしています。その横浜青年経営者会の先輩である(ニットーの)藤澤さんから、enmonoさんの講座について教えていただきました。

enmono宇都宮氏 売上は増えてきたのに、なぜマイクロモノづくり経営革新講座を受けられたのですか?

杉田氏 以前、自社商品を作ったことがあるのですが、お蔵入りになってしまいました。販路など、分からないことが多かったのです。「これを世に出したい」という思いが、なかったのかも知れません。受講して、根本的な進め方が違うと実感しました。お蔵入りした企画も、いずれ練り直そうと考えています。

enmono宇都宮氏 場所を変えまして、ここが秘密基地「メタルDIY」ですね。これは、講座のどのあたりで、閃いたのですか?

メタルDIYの構想

杉田氏 中〜後半です。自社の設備でできるもので、得意とするものは何か、ずっと考えていました。DIYの好きな方々は、木工はできても、金属加工となると一気にハードルが高くなるんです。それで、アマチュアの方に金属加工を教えながら、誰でも金属加工のDIYを楽しめる場所があったらいいな、と思ったのです。

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