enmono宇都宮氏 杉田さんの持っているノウハウで、時々、アドバイスをしてくれるんですね。講座で、「玄人には弱いけれど、素人には強い」というような話になりましたよね。職人さんだと、アマチュアの方に説明するのは苦手な人が多い。杉田さんは得意で、それが価値になると気づいたんですよね。
杉田氏 そうですね。ちょうど場所もあって、本当にタイミングが良かったという気がします。このスペースは、事務所にするために空けていたんです。
enmono宇都宮氏 場所が調整できたので、「初期費用もあまりかからないから、やってみましょうか」と話が進みましたね。「デザインや内装などの費用は、zenmonoで資金調達をしましょう」と。「メタルDIY」が、どういう場所になったらいいなと思いますか?
杉田氏 コワーキングスペースの金属版のような、お互いの考えなどをシェアできるような場となったらいいなと思っています。コミュニティの場所となれば、その中で新たなモノが生まれるんじゃないか、という期待もあります。
enmono宇都宮氏 機械を使うのは、危険な面もありますが。
杉田氏 その点は、(利用者に)講習を受けてもらうとか、誰かについてもらうとか、模索しながら進めています。
enmono宇都宮氏 安全第一ですから。アマチュアの方も、そういう気持ちで利用してもらわないと困りますね。でも、危険だからこそ、杉田さんというプロがついていることは、1つの売りになります。「メタルDIY」で加工できない場合は、見積もりして注文を受けたり、そういう関係性も生まれたらいいですね。ところで、本業が忙しい中、自社商品開発の時間をどう捻出しているのですか。飲み会を減らすとか、家族との時間を減らすとか?
杉田氏 それは(どれも)減らせないですね。だから、亀の歩みなんですよね。
enmono宇都宮氏 でも、辞めようとは思ったことはないんですよね。その点が、以前やられていた自社商品開発と違うのでは?
杉田氏 はい。モチベーションが全然違いますし、成り立てば、事業の柱の1つとなればいいなと思っています。
enmono宇都宮氏 最後に、杉田さんが考える日本のモノづくりの未来について、教えてください。
杉田氏 大企業、中企業、小企業、零細企業というピラミッドが崩壊しつつある、と実感しています。自社商品開発やメイカーズがブームになっていますが、未来のモノづくりは自力でやっていかないといけないのでは、と思います。大手企業に頼らず自力で飯の種を作ったり、何かアクションを起こさなければ、生き残れない。海外で活躍されている中小企業の方も、いらっしゃいます。そういう企業がいっぱい増えればいいですよね。
enmono宇都宮氏 そういう企業同士がつながって、また、盛り上がっていけたらいいですね。ありがとうございました。
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