Motion Control FBには、絶対値直線補間「MC_MoveLinearAbsolute」と相対値直線補間「MC_MoveLinearRelative」の2種類の直線補間が定義されています。
MC_MoveLinearAbsoluteを用いて、初期位置 (0,0) から目標位置1 (100,0)、目標位置2 (100,100) の順に目標位置4 (0,0) まで一筆書きで動作をします(図4)。
図5にプログラム事例を記載します。図5の最初の行で軸グループを有効にし、2行目以降で目標位置1、2、…… の順でブレンディングネクスト※2)「_mcBlendingNext」を用いて命令を起動しています。最終行で軸グループを無効にしています。
※2)ブレンディングネクストの詳細は、本連載の第1回目を参照してください。
図の通り、直線補間の連続動作が簡単に実現できます。また、これまで紹介してきた単軸位置決め制御や同期制御と同じようにプログラミングできることが分かります。
次に「MC_MoveLinearAbsolute」と円弧補間「MC_MoveCircular2D」※3)の組み合わせについて紹介します。先ほどの動作で、目標位置1のコーナーに円弧補間を組み合わせます(図6の赤線部分)。
※3)MC_MoveCircular2Dは、オムロン製NJシリーズの2軸円弧補間命令です。技術仕様書には、円弧補間としてMC_MoveCircularAbsoluteとMC_MoveCircularRelativeが定義されています。
図7に、初期位置 (0,0) から目標位置1-a (95, 0)、目標位置1-b (100, 5) を経由して、目標位置2 (100, 100) まで動作するまでのプログラム事例を記載します。前述のプログラムに円弧補間MC_MoveCircular2Dが追加されることで、直線補間と円弧補間の組み合わせ動作を簡単に実現できることが分かります。
今回は、多軸協調制御のプログラム事例を紹介し、直線補間による連続動作や、直線補間と円弧補間を組み合わせた連続動作が可能であることを説明しました。
なお今回は紹介していませんが、技術仕様書には軸座標系/機械座標系/ワーク座標系の3種類の座標系、および座標変換FBが定義されています。座標変換FBは、パラレルリンクロボットをはじめとする多関節ロボットをFBから制御する際に有効です。
多関節ロボットのような複雑な座標変換を行う場合、ボードPCや専用コントローラがこれまで用いられてきました。しかし、近年はPLCの演算性能が向上しており、ボードPCと同等レベルの演算性能を持つPLCも登場しています。将来、PLCとMotion Control FBを使って多関節ロボットを制御できる時代が来るかもしれません。
次回は、「PLCベンダー間でのプログラム移植性」について紹介します。
※)PLCopenおよび関連するロゴマークはPLCopenが所有する登録商標です。
※)Sysmacは、オムロン製FA機器製品の日本およびその他の国における登録商標です。
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