信越化学、ベトナムにレアアースマグネット工場を新設――需要対応とBCPから工場ニュース

信越化学工業はベトナムにレアアースマグネット製造工場の新設を発表した。新工場の生産能力は年産2千トンで設備投資額は約120億円。

» 2014年04月22日 17時00分 公開
[MONOist]

 信越化学工業(以下、信越化学)は2014年4月21日、ベトナム社会主義共和国(以下、ベトナム)にレアアースマグネット製造工場の新設を発表した。

 レアアースマグネットは、ハイブリッド車をはじめとする自動車用途や、省エネルギー型のエアコン、ハードディスクドライブなど幅広い用途で使用されており、今後も大きな伸びが見込まれている。信越化学では、以下の2つの点から新たな工場建設を決めたという。

工業団地 シンエツ マグネティック マテリアルズ ベトナムの位置

 1つは生産拠点を複数化し安定供給を確保することで、もう1つは自動車用途を中心に拡大が見込まれる需要を着実に取り込んでいくことだ。レアアースマグネットの製造工程は、「焼結」と「加工」の2つの工程に大別されるが、これまで信越化学のレアアースマグネットの生産拠点の中で焼結工程を有しているのは、福井県の武生工場の1拠点だけだった。今回ベトナムに新設する工場には、武生工場と同じく焼結工程を設ける予定で、同工程を複数化することでリスクの分散を図るという。また、新工場の建設により焼結工程の生産能力は約1.5倍となる。

 新工場の生産能力は年産2千トンで、設備投資額は約120億円。信越化学のベトナム子会社であるシンエツ マグネティック マテリアルズ ベトナムがハイフォン市に所有する土地に建設する予定で同工場から原料の供給を受ける。2014年10月に着工し、第1期分は2015年9月に年産1千トン、第2期分は2016年9月に年産1千トンの工場を建設するという。

製造工程と生産拠点


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