インテルは「Embedded Technology 2013/組込み総合技術展」に出展。マルチコアプロセッサーと仮想化技術の強みを生かした「組込み機器向けワークロード集約デモ」と題し、“琴を演奏するロボット制御システム”のデモンストレーションを披露した。
インテルは2013年11月20〜22日までの3日間、パシフィコ横浜で開催されている「Embedded Technology 2013/組込み総合技術展」に出展し、近未来の組み込みソリューションを提案する数々のプロトタイプを披露。その1つとして、マルチコアプロセッサーと仮想化技術の強みを生かした「組込み機器向けワークロード集約デモ」と題した“琴を演奏するロボット制御システム”のデモンストレーションを行った。
デモに用いられたシステムは、インテル Core i7プロセッサーを搭載したコンピュータ上に、ハードウェア仮想化支援機能(Intel VT)をサポートするウインドリバーの仮想化技術「Wind River Hypervisor 2.0」を動作させ、ユーザーインタフェース(UI)やネットワーク接続などの処理を担当する「Windows 7 Professional 64bit」と、ロボットのモーションコントロールを行う「Wind River Linux 5.0」の2つのOSを稼働させている。Wind River Hypervisor 2.0は、ハイバーバイザ型の仮想化ソフトウェアである。シングル/マルチコアプロセサーを搭載する単一システム上において、「Virtual Board(仮想ボード)」を複数構築し、それぞれに別のゲストOSやアプリケーションを稼働させることができる。
展示会場では、6本のロボットアームで琴の弦(全部で21本)を巧みに弾き、曲を奏でるデモが披露されていた。「マルチコアと仮想化技術により、Windowsが得意とする部分、Linuxが得意とする部分、あるいはWind River VxWorksなどのRTOSが得意とする部分を協調動作させることで、単一のシステムを構築できる。もちろんOS間の通信も可能だ。しかも、万一、あるOSで何かトラブルが発生した場合でも、他のOSに影響を及ぼすようなことはない。このデモの場合、例えば、UIと通信を実現するWindows側がブルースクリーンになったとしても、ロボットの制御には全く影響が出ない。こうした動作は産業システムで非常に重要なことだ」(説明員)。
このデモは主に、産業分野におけるシステム統合を想定したもので、「従来、別々の機器で実現されていた機能を1つのデバイスに集約することで、開発効率の向上、コスト削減、管理の効率化、省スペース化などが図れる」(説明員)と、ワークロードの集約のメリットをアピール。
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