パナソニック コネクトがロボット制御を一元化する基盤を開発、12社と連携ロボット開発ニュース(1/3 ページ)

パナソニック コネクトは2025年10月から製造や物流の現場へのロボット導入を促進する「ロボット制御プラットフォーム」の提供を開始する。同プラットフォームのパートナーには、ラピュタロボティクス、ファナック、ユニバーサルロボット、DOBOTやロボットSIer/販社など12社が参加する。

» 2025年07月01日 06時15分 公開
[朴尚洙MONOist]

 パナソニック コネクトは2025年6月30日、同社横浜拠点(横浜市都筑区)で会見を開き、同年10月から製造や物流の現場へのロボット導入を促進する「ロボット制御プラットフォーム」の提供を開始すると発表した。ROS 2に対応するロボットの制御を一元化できる同プラットフォームのパートナーには、2024年3月に協業を発表したラピュタロボティクスの他、ファナックやユニバーサルロボット、DOBOTなどのロボット機器メーカー6社、ロボットSIer/販社5社の12社が参加する。

会見の登壇者 会見の登壇者。左から、パナソニック コネクト 執行役員 シニア・ヴァイス・プレジデント CTO マネージングダイレクターの榊原彰氏、同社 SaaSビジネスユニット ダイレクターの牛島敏氏、ラピュタロボティクス 代表取締役CEOのモーハナラージャー・ガジャン氏、パナソニック コネクト 技術研究開発本部 ソリューション開発研究所 ソリューションビジネス開発統括 ダイレクターの橘弘之氏[クリックで拡大]
倉庫内でのキッティング作業を2台のロボットで行うデモ。ファナックの協働ロボットとユニバーサルロボットの協働ロボットの制御をロボット制御プラットフォームで一元化している。なお、ユニバーサルロボットのハンドはパナソニック コネクトが独自開発したもので、段ボール箱に梱包しやすい状態になるようにつかんだ箱をハンド内で回すことができる[クリックで再生]
DOBOTのロボットを用いたタッチパネルやスイッチなどのHMI(Human Machine Interface)の精度を検査する工程のデモ。ロボット制御プラットフォームのビジュアルプログラミング機能を用いて開発した[クリックで再生]
ラピュタロボティクスの自動倉庫システム「ラピュタASRS」により人手でキッティングを行う様子。システム連携サービスを用いて上位システムであるWMSと連携して作業を行っている[クリックで再生]

 パナソニック コネクト 執行役員 シニア・ヴァイス・プレジデント CTO マネージングダイレクターの榊原彰氏は「当社は先日、国内向け物流ソリューション事業で現場側との関わりが深い実行系領域の展開を本格化する方針を打ち出したところだ。今回の発表では、その実行系領域の注力に加えて、当社が現場でのロボット活用をどのように強化していけるのかを示したい」と語る。

 パナソニック コネクトは、SCM(サプライチェーンマネジメント)ソリューション大手のブルーヨンダーの買収に合わせて、現場側のセンシングデータを収集してAI(人工知能)で解析し、デジタルツインなどを活用してロボットにフィードバックするCPS(サイバーフィジカルシステム)技術とクラウドベースのSCMソリューションを組み合わせた「オートノマスSCM」を提唱してきた。「今回発表するロボット制御プラットフォームはオートノマスSCMに向けた第1弾の取り組みであり、これによって実行系領域をより賢くしていけると考えている」(榊原氏)という。

ブルーヨンダーのSCMソリューションとCPS技術で連携する「オートノマスSCM」のイメージ ブルーヨンダーのSCMソリューションとCPS技術で連携する「オートノマスSCM」のイメージ[クリックで拡大] 出所:パナソニック コネクト
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