NTTは、AlN(窒化アルミニウム)の半導体技術を発展させ、AlN系高周波トランジスタの動作に成功した。試作したトランジスタはミリ波帯の79GHzで動作し、ポスト5G時代の通信インフラの発展に貢献する。
NTTは2025年12月9日、AlN(窒化アルミニウム)の半導体技術を発展させ、AlN系高周波トランジスタの動作に成功したと発表した。試作したAlN系高周波トランジスタはミリ波帯での電力増幅が可能で、今後さらなる高出力化の開発を進めることで、ポスト5G時代の通信エリアの拡大や通信速度高速化など、無線通信サービスの向上が期待される。
本研究では、電極とチャネル層の間にAl組成を徐々に変化させたAlGaNコンタクト層を形成し、電極との間のエネルギー障壁を低減することで、オーミック接触抵抗を低減した。また、Al組成を傾斜させたAlGaNチャネル層をAlN障壁層と電荷制御下地層で挟んだ「分極ドープ」チャネル構造を考案し、チャネル層内に高濃度の3次元電子ガスを形成することで、チャネル抵抗を低減した。
これらのオーミック接触抵抗とチャネル抵抗の低減技術を用いて、Al組成78%、85%、89%の高Al組成AlN系トランジスタを試作した結果、Al組成85%のトランジスタでは500mA/mmを超える高いドレイン電流と、109を超える高いオンオフ電流比を確認した。このトランジスタ性能の向上により、従来高周波動作が困難とされてきたAl組成75%を超えるAlN系トランジスタにおいて、1GHzを超える高周波での電力増幅動作を世界で初めて達成した。
特に、Al組成85%のAlN系トランジスタは、電力増幅が可能な最大動作周波数がミリ波帯の79GHzに達し、これまでのAlN系トランジスタの中で最高値を記録した。
今後は、高周波トランジスタの大電力動作の実証に向けて、より大電流かつ大電圧の動作が可能なデバイス構造を設計し、パワーデバイスから無線通信まで幅広く応用可能なAlN半導体技術の社会実装に向けて研究を進めていく。
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