物理世界と相互作用する「フィジカルAI」 AWSが語るロボット制御の進化とは人工知能ニュース(1/2 ページ)

アマゾン ウェブ サービス ジャパン(AWSジャパン)は2026年5月21日、東京都内で報道陣向けの勉強会を開催し、フィジカルAI分野におけるAWSの取り組みについて説明した。

» 2026年05月26日 07時30分 公開
[坪田澪樹MONOist]

 Amazon Web Services(AWS)の日本法人であるアマゾン ウェブ サービス ジャパン(AWSジャパン)は2026年5月21日、東京都内で報道陣向けの勉強会を開催し、フィジカルAI(人工知能)分野におけるAWSの取り組みについて説明した。

フィジカルAIの市場と定義について

AWSジャパンの岡本京氏

 フィジカルAIという言葉が注目され始めたのは、NVIDIA 創業者兼CEOのジェンスン・フアン氏の発言がきっかけである。フィジカルAIの特徴について、AWSジャパン 技術統括本部 ストラテジックエンタープライズ本部 本部長の岡本京氏は「一言で申し上げると、ハードウェアが知覚/理解/推論/学習し、物理世界と相互作用するということ」と語る。

 フィジカルAIはテキストの内容をただ返すだけのデジタルAIとは異なり、コーヒーを入れるといった物理的アクションを起こすことが可能である。フィジカルAIを適用できる主なハードウェアとしては、産業用ロボットやヒューマノイド、AGV(無人搬送車)、ドローンなどが挙げられる。

フィジカルAIについて[クリックして拡大] 出所:AWSジャパン

 現在、さまざまなフィジカルAIの領域でAWSソリューションの活用が進んでいるという。医療現場では、米国スタートアップDiligent Roboticsが開発したフィジカルAIロボット「Moxi」にAWSのソリューション(エッジコンピューティングとディープラーニングサービス)が活用されており、医薬品などの医療物資搬送を自動化している。「既に25以上の病院で100万回以上の自律配送実績があり、医療スタッフの業務負担と時間を大幅に削減している」(岡本氏)。

Diligent Roboticsについて[クリックして拡大] 出所:AWSジャパン

 建設現場向けには、米国の自動運転技術スタートアップのBedrock RoboticsがAWSのクラウドインフラを駆使した製品を展開している。同社は建設現場における熟練者不足という課題に対して、既存の重機に最新技術を搭載した専用のデバイスを後付け(レトロフィット)するだけで、建機の自律化を可能にするというソリューションを展開している。約2時間の作業で導入が可能で、既存の設備を有効に活用しながら現場の自動化を推進できる。

Bedrock Roboticsについて[クリックして拡大] 出所:AWSジャパン

 アマゾン(Amazon.com)でも最新のソリューションを採用しているという。同社では、形が変わりやすい柔軟なパッケージを扱うことが多い。そのため、触覚センサーを備えたロボット「Vulcan」を導入し、柔軟なピックアップ作業を可能にした。また、「Amazon Devices」を活用した仮想空間でのシミュレーションにより、生産ラインのレイアウト変更を事前に評価し、作業の効率化を実現している。

アマゾンでのロボット導入事例[クリックして拡大] 出所:AWSジャパン
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