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» 2013年09月30日 13時08分 公開

「ロボット」から「プロジェクションマッピング」まで――Kinect活用でビジネス化を目指せ!!【前編】Kinect for Windows Contest 2013 リポート(2)(3/3 ページ)

[八木沢篤,MONOist]
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チーム:三木大輔氏/作品:Kinectを用いた腹腔鏡下手術支援システム2013

 前半最後となる5作品目は、三木大輔さんが開発した「Kinectを用いた腹腔鏡下手術支援システム2013」だ。こちらの作品は既報の通り、アイデア賞を受賞している。東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科に所属し、患者に優しい手術の研究をしている三木さんは、前回大会でも同じテーマで「奨励賞」を受賞。今回はさらに内容に磨きをかけての再挑戦となる。

 三木さんが開発したシステムは、その名の通り、腹腔鏡下手術をKinect for Windowsセンサーで支援するというもの。患者のお腹に小さな穴を開けて、そこに術具を挿入して手術を行う腹腔鏡下手術は、傷口が小さくて済み、回復が早いことから“患者の負担が少ない手術”として注目されている。しかし、手術を行う医師の立場からすると、お腹に挿入した2本の術具を、同じく挿入した内視鏡カメラの映像を見ながら、巧みに操作しなくてはならないため、技術と経験が必要とされる。

コンセプト 発案のきっかけ

 三木さんは「お腹の中が透けて見えたら、術具が“迷子”になることがなくなり、周りの臓器を傷つけてしまうようなこともなくなるだろう」と、Kinect for Windowsセンサーの活用を検討。術具の持ち手部分に青色とオレンジ色のマーカー(内視鏡の持ち手には緑色のマーカー)を装着し、そのマーカーの位置をKinect for Windowsセンサーで捉えることで、お腹に挿入されている術具の場所を追跡する方法を考えた。

豚の胆のう摘出手術の様子 豚の胆のう摘出手術の様子。青色と(写真では見えづらいが)オレンジ色のラインが術具の位置を、緑色のラインが内視鏡を示している

 「臨床評価のため、外科医の先生に協力してもらい、生きた豚の胆のう摘出手術を行った。その結果、イメージ通り、あたかもお腹の中が透けているかのような映像を取得できた」と三木さん。同システムでは、術具の位置の可視化だけでなく、内視鏡の映像から術具の先端が消えると、映像のどの方向に術具が移動したかを教えてくれる補助機能も搭載している。

手術中の画面マーカーの付いた術具 (左)手術中の画面/(右)マーカーの付いた術具

 「やはり、Kinect for Windowsセンサーの魅力は低価格な点。専用の3次元トラッキング装置などは数百万〜数千万円するが、Kinect for Windowsセンサーは2万4800円で買える。低価格なのに、これだけの精度が出せる点は非常にすばらしい。これであれば、小さな病院でも腹腔鏡下手術を支援するシステムを安価に導入できる。そうなれば、負担の少ない手術を広く普及できるのではないか。また、ゲーム技術と組みわせれば“訓練システム”も実現可能だと考えている」と、三木さんはKinect for Windowsセンサーの魅力と今後の可能性をアピールした。



 以上、前半5作品のプレゼン内容を紹介した。次回は残り5作品の模様を紹介する(次回に続く)。

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