ルネサス エレクトロニクスは、次世代の車載E/Eアーキテクチャの中核となる、チップレット対応のマルチドメインECU用SoC技術を開発した。機能安全をサポート可能なチップレット技術により、拡張性と安全性を両立する。
ルネサス エレクトロニクスは2026年2月18日、SDV(ソフトウェアデファインドビークル)時代の車載マルチドメインECUに向けた、3つの新しいSoC技術を開発したと発表した。
第1の技術は、機能安全をサポートするチップレットアーキテクチャだ。標準規格のUCIeインタフェースに独自のRegionIDメカニズムを組み合わせ、ダイ間でRegionIDを伝送可能にした。これにより、多数のアプリケーションが同時動作する環境でもリソースの干渉を防止するFFI(Freedom from Interference)を実現した。UCIeの評価では51.2Gバイト/秒の高速通信を達成しており、拡張性と安全性の両立を可能にしている。
第2に、大規模化するNPUの車載品質確保に向けた設計刷新を行った。3nmプロセスを採用する中で、クロックレイテンシの増大を抑制するため、サブモジュール階層にmini-CPGを配置する階層型アーキテクチャを導入した。テスト回路を統合してユーザークロックとテストクロックの単一経路化を図ることで、大規模SoCにおいてもゼロディフェクトレベルの品質確保を可能にした。
第3の技術として、90以上の電源ドメインを用いた精密な電力制御を達成した。リング型と行配置型の2種類のパワースイッチを組み合わせることで、電源投入時のラッシュ電流抑制とインピーダンスの均一化を図り、IRドロップ(電圧降下)を従来比で約13%改善した。
また、DCLS(Dual Core Lock Step)構成において、マスターとチェッカーを独立制御し、故障検出能力を高めることで、電力効率とASIL Dの要件を満たす安全性を両立させている。
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