気象情報と機体/車両の位置情報を一元管理! 被災地支援に役立つウェザーニューズの動態管理システム南海トラフ巨大地震に備え

ウェザーニューズは、南海トラフ巨大地震を想定して2013年8月31日に実施された「平成25年 内閣府広域医療搬送訓練」において、同社のヘリコプター動態管理システム「FOSTER-copilot」が活用されたことを発表した。

» 2013年09月05日 17時55分 公開
[八木沢篤,MONOist]
ウェザーニューズ

 ウェザーニューズは2013年9月4日、南海トラフ巨大地震を想定して同年8月31日に実施された「平成25年 内閣府広域医療搬送訓練」において、同社のヘリコプター動態管理システム「FOSTER-copilot」が活用されたことを発表した。

 東日本大震災の発生直後、全国各地から多くのドクターヘリや救急車、ドクターカーなどが被災地に集まった。しかし、各機体/車両の位置情報や出動可否などの情報の一元的な把握が難しく、各拠点の連携と迅速かつ効率的な医療搬送が課題となった。


愛知県庁にて各機体/車両の位置を確認する様子 愛知県庁にて、運航判断支援ツール「FOSTER-GA」の画面を見ながら各機体/車両の位置を確認する様子

 これを踏まえ、今回の訓練では「空の安全を守る」というミッションの下、ウェザーニューズがヘリコプターの運航管理・サポート向けに開発・サービス化したFOSTER-copilotを採用。ドクターヘリ11機、災害調査ヘリ2機、ドクターカー・災害時医療支援車両(DMAT車両)10台に搭載し、各機体/車両の位置情報と気象情報を一元管理し、最適な運航(行)判断に活用した。

 FOSTER-copilotは、機内に持ち込むだけで利用できる動態管理システムである。機体の修理改造が不要なため、低コストで導入できる点が特徴だ。FOSTER-copilotの本体サイズは65×26×130mm、重さは202gである。FOSTER-copilotによって取得された各機体/車両の位置情報は、運航判断支援ツール「FOSTER-GA」上で気象情報とともに一元管理される。

FOSTER-copilotFOSTER-GA (左) ヘリコプター動態管理システム「FOSTER-copilot」/(右) 運航判断支援ツール「FOSTER-GA」上で機体の位置・状況を確認している様子

 南海トラフ巨大地震を想定した今回の訓練では、災害対策本部やSCU(航空搬送拠点臨時医療施設)、ドクターヘリ基地病院などで、FOSTER-GAを利用。機体/車両の位置情報と気象情報が一元管理された画面を確認しながら、最も迅速に医療搬送が可能な機体/車両の選定と安全かつ効率的な運航(行)判断を実施することができたという。

訓練当日の様子ドクターヘリ (左) ドクターヘリやDMAT車両の位置情報と気象情報を一元化(訓練当日の様子)/(右) 名古屋空港から「FOSTER-copilot」を搭載し飛び立つドクターヘリ ※画像クリックで拡大表示

防災・災害対策技術

防災・災害対策技術
3.11 東日本大震災の発生以降、防災・災害対策に関連する技術に、ますます注目が集まっています。自然災害、原発対応、被災地支援といった各分野における最新技術や取り組みを紹介します。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.