三菱自動車が、リチウムイオン電池セルの不具合が確認されていたプラグインハイブリッド車「アウトランダーPHEV」のリコールを届け出た。6月中旬からリコール作業を始め、8月下旬には生産も再開する予定。併せて、運転支援システム「e-Assist」や、6月6日に発売する新型軽自動車「DAYZ」と「eKワゴン」のリコールも届け出ている。
三菱自動車は2013年6月4日、プラグインハイブリッド車(PHEV)「アウトランダーPHEV」、電気自動車(EV)「i-MiEV」と「MINICAB-MiEV」について、同年3月に発生したリチウムイオン電池セルの不具合に関するリコールを国土交通省に届け出た。対象となるのは、アウトランダーPHEVが2013年1月17日〜3月27日に製造された4313台、i-MiEVが2009年7月4日〜2012年6月8日に製造された17台、MINICAB-MiEVが2011年11月22日〜2013年2月20日に製造された98台、合計で4428台となる。
同社は4月末に、リチウムイオン電池セルのサプライヤであるリチウムエナジー ジャパンの製造ラインにおいて、検査を行う「スクリーニング工程」で発生した2種類の“過度な衝撃”が、電池セルの不具合の原因だったと報告。5月上旬にもリコールを届け出る方針を表明していた。しかし、電池セルの製造ラインに導入する再発防止策の検証や、その有効性の確認を徹底的に行うのに時間がかかり、リコールの届け出が1カ月ほど遅れた。
通常のリコール作業は販売店で行うが、今回の電池セル不具合のリコールについては、アウトランダーPHEVは名古屋製作所で、i-MiEVとMINICAB-MiEVは水島製作所で、それぞれ集中的に作業する。リコール作業は、6月中旬から順次開始できる見通しである。
アウトランダーPHEVは、電池セルの不具合が発生したものの、現時点でも多数の受注残を抱えている。リコール作業を優先させることもあって、生産再開は8月下旬になる見込みだ。
三菱自動車は同日、アウトランダーPHEVと、同車のベース車両である「アウトランダー」、「デリカD:5」について、電動パワーステアリング(EPS)や方向指示器、カーナビゲーションシステム、電動オイルポンプ、運転支援システム「e-Assist」(関連記事:三菱自動車も“止まる”プリクラッシュを採用、「EyeSight」よりも安価に)に起因するリコールを国土交通省に届け出た。対象となるのは、アウトランダーPHEVが2013年1月17日〜3月27日に製造された4313台(電池セル不具合のリコール対象と同じ)、アウトランダーが2012年10月10日〜2013年5月9日に製造された3677台、デリカD:5が2012年12月18日〜2013年4月23日に製造された1449台、合計で9439台となる。このリコールの原因による事故は発生していない。
e-Assistについては、前方車両を追従して走行する「レーダークルーズコントロールシステム(ACC)」と、前方車両との速度差が時速30km以内であれば自動ブレーキによって衝突を回避できる「衝突被害軽減ブレーキシステム(FCM)」がきちんと作動しない不具合が2種類確認された。1つは、ACCを使用しての走行中に、トンネル壁面などを前方車両と誤認識する場合があり、このとき自動ブレーキが作動して車両が減速してしまう不具合である。もう1つは、演算処理時にエラーが発生し、ECU(電子制御ユニット)がリセットして通信異常が発生する場合があり、このとき、警告音とともにメーター内のインフォメーション画面に「ACC点検」、「FCM点検」、「ASC(横滑り防止システム)システム点検」と表示し、ACCおよびFCMが機能を停止するという不具合である。
これらの不具合の原因となっているハードウェアやプログラムについて、対策品への交換/書き換えを行うことで対応する。
さらに、2013年6月6日に発売される新型の軽自動車「DAYZ」(日産自動車)と「eKワゴン」(三菱自動車)のリコールについても、国土交通省に届け出があった。対象となるのは、2013年4月25日〜6月1日までに製造された1456台。
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リコールの原因はハイマウントストップランプである。テールゲートに固定するために塗布した滑り剤の影響により、ハイマウントストップランプのツメ部に亀裂が発生しまう。そのままの状態で使用すると、ハイマウントストップランプがテールゲートの取り付け位置からずれる恐れがあるという。
6月6日の発売までには、滑り剤を塗布せずに済む対策品のハイマウントストップランプに交換して対応する方針である。
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