家庭用の太陽光発電システムは出力3k〜4kWの構成が最も多い。そこで、新型パワーコンディショナーの定格容量(最大出力)を4.5kWに定めた。ただし、太陽光発電システムには、定格容量で連続して動作することがないという特徴がある。時間によって太陽の高度が変わり、面積当たりに得られるエネルギーが変化する他、気象条件によっても出力が低下するからだ。
そこで、定格容量の約半分の2kW前後の出力時に最高効率が得られるように設計したのだという。4.5kW出力時の効率は97.5%だが、2kW出力ではより高い98.2%の効率を達成できた(図2)。
安川電機は自社でパワー半導体の製造を手掛けていない。そこで、今回はGaNウエハーから、素子のパッケージングまでを事業化した米Transphorm(関連記事)のパワー半導体を採用した。
「当社からGaNパワー半導体の仕様について要求を出し、それを満たすものを採用した。Transphormによれば、今回のGaNパワー半導体は『All GaN』であり、逆並列のダイオードは採用していない」(安川電機)。使われている素子は、AlGaN/GaN構造を採るHEMT(High Electron Mobility Transistor)だと考えられる。
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