このリンク機構は、駆動ピンが水平移動すると、その直角方向に従動ピンを直線移動させ、従動ピンは厳密な直線を描きながら動作します。
複数のリンクを二等辺三角形になるようレイアウトした場合、駆動リンクを回転させると、従動ピンが、リンクを構成する二等辺三角形を、直角2等分する直線に沿って運動するものです。
この機構では、3つのリンク固定端を結んだ同一直線上に従動ピンを配置しています。その線上で従動ピンが直線運動をします。
この機構では、駆動リンクの固定端と同一直線上に長穴を配置します。駆動リンクの回転によって、従動ピンが楕円の一部の軌跡を描きます。
テオ・ヤンセン(Theo Jansen)氏は、オランダ出身の彫刻家であり、物理学者でもあります。彼の作品では、風力を利用したリンク機構による機械が有名です。以下は、テオ・ヤンセン氏の作品で使われたリンク機構です。複雑な機構なので、今回は解説を割愛します。
⇒番外編「のしのし歩く! テオ・ヤンセンのビースト機構」はこちら
機械設計者であれば、設計の中で少なくとも簡単なリンク機構を考案しなければいけない場面に出くわすはずです。
リンク機構を考案する際の秘訣(ひけつ)は、“柔らか頭”と“軽いフットワーク”です。固定観念にとらわれないユニークなアイデアと、「発想の転換」をするための柔軟な思考力、そして「ダメだと思ったらサッサと違うアイデアに移行する」という臨機応変さが必要なのです。
本連載「メカメカリンクで設計しよう」を参考に、読者の皆さんのアイデアを盛り込み、オリジナリティーあふれる新たなリンク機構を考案していただきたいと思います。(完)
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