スライダーの長穴を傾けることによって、スライダー側から入力することで回転リンクを動作させる機構となります。No.37の機構が持つ可逆特性による動作です(No.37の図は、同様の形状の部品で、リンクが入力、スライダーが出力となっています)。
可逆特性の有利な面は、イレギュラーな操作によって出力側から入力を受けた場合、動作がロックされないのでリンク機構が破損しないことです。特に、人の操作が絡む機構では大変有効です。
No.36、No.37と同様に、駆動リンクを回転することによって、スライダーを平行移動させる機構です。スライダーの穴を単純な直線構造にするのではなく変形穴にすることで、動作に変化を出しています。
スライダー穴を変形穴にすることで、スライダーの動きに変化を出し、スライダー側から入力したときのリンク動作は止めずに回転させる機構です。No.39の機構が持つ可逆特性による動作です(No.39の図は、同様の形状の部品で、リンクが入力、スライダーが出力となっています)。
今回のスライド構造で特徴的なのが、連続した回転入力に対してスライダーがいったん停止する機能と、スライダー側からも入力動作できる可逆特性です。可逆特性については前回の記事でも言及した「機械効率」をうまく利用したものといえます。設計する際に、機構を動かすことだけに着目するのではなく、イレギュラーな操作によって出力側から入力されたときに機構をロックさせたいのか、逆にロックさせないのか、設計思想を明確にする必要があります。
次回も、その他のスライド構造を組み合わせた四節リンク機構の特徴を確認しましょう。(次回に続く)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.