エアバッグを高精度かつ効率的に開発するソリューションを構築:CAEニュース
フォトロンとJSOLが業務提携を発表した。協業の第一歩として、両社の技術を組み合わせ、自動車のエアバッグを高精度かつ効率的に開発するワンストップソリューションの構築を目指す。
フォトロンは2025年2月25日、システムコンサルティングソリューションインテグレーターのJSOLとの業務提携を発表した。協業の第一歩として、自動車のエアバッグを高精度かつ効率的に開発するワンストップソリューションの構築を目指す。
今回の業務提携により、両社の技術を融合させ、現実に近いシミュレーションの実現を目指す。具体的には、ハイスピードカメラを用いたフォトロンの高速現象の計測技術、3Dモデル生成サービス「High Speed Volumetric Capture(HSVC)」と、JSOLのCAEを利用したシミュレーション技術を組み合わせる。
必要な座標データをHSVCで撮影した3Dモデルから取り出し、CAEモデルに反映することで、複数条件下での挙動再現性を向上できる。3次元空間上で、ミリ秒ごとに3Dモデルデータとシミュレーション結果を比較可能になるため、シミュレーションの誤差と手戻り作業の低減が期待できる。
3次元空間上での比較[クリックで拡大] 出所:フォトロン
3Dモデルから必要な座標データを取り出してCAEモデルに反映することで複数条件下での挙動再現性が向上[クリックで拡大] 出所:フォトロン
また、CAEの教師データとして、HSVCで撮影した3Dモデルデータを活用。実際の展開にシミュレーションを近づけ、精度向上を目指す。
HSVCで撮影した3DモデルデータをCAEの教師データとして活用[クリックで拡大] 出所:フォトロン
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