投影図
「投影図」は、投影対象物を複数の角度から見た図を1枚に配置した図のことである。第三角法は、機械製図における正投影法の方式の1つである。日本工業規格(JIS)準拠の機械製図においては、一般的に第三角法を用いることになっている。第三角法で表現し切れない寸法は、同じく正投影法の一種である矢示法を併用する。第三角法は、日本の他、米国、カナダ、韓国などの機械製図でも使われる。
第三角法では、まず投影対象の中で最も特徴のある方向から見た図を「正面図」として定める。正面で表現し切れない形状は「側面図」「平面図」、左右の「側面図」「下面図」「背面図」に展開する。
平面図は正面図の上に描かれる、投影形状を真上から見た図である。逆に、真下(底)から見た図は下面図となる。側面図は、正面図の左右に配置し、それぞれ右側面図と左側面図となる。正面図の真後ろとなる「背面図」は側面図の隣に描く。
投影図は上記で述べた全てを描くわけではなく、必要最小限とする。寸法もなるべく正面図にまとめるのが望ましい。形状が隠れ線で描かれているなど、正面図での指示が適さない場合は、他の投影図へ展開する。
投影図の向きは、部品製作者に配慮して決める。例えば、旋盤加工で加工する軸ものの部品では、加工機にチャック(固定)されるであろう方向を左、切削加工を多く施す方を右側とする。
矢示法は、部品の特定の部位をアルファベットの大文字と矢印で指示し、一部分を任意の余白部に投影する方法。厳密な投影関係にはとらわれない。
第一角法は、欧州や中国の製図で使用される投影法である。日本においては建築や船舶で使われることがある。第三角法と正面図や背面図は同じであるが、正面図に対して右側面図を左、左側面図を右、平面図を下、下面図を上に配置する。
※)参考文献:「図面ってどない描くねん!(第2版)」(山田学・著、日刊工業新聞社・刊)
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