シックスシグマ(6σ)
「シックスシグマ(6σ、Six Sigma)」は、1980〜1990年代にかけて、米国の通信機器メーカーであったモトローラが開発した組織改善や品質管理のための手法である。モトローラは日本企業で盛んに実施されていた、職場内の小グループで実施する自発的な品質管理活動「QCサークル」を参考にしたといわれる。
1990年代に米国のコングロマリット企業であるGE(General Electric)が同手法を採用。世界各国の大手メーカー各社を中心に、品質管理手法として広まっていった。
大まかには、事業を経営する中で起こり得る、さまざまなミスや欠陥の発生率を100万分の3.4の範囲に抑えることを狙い、継続的に経営品質改善におけるさまざまな活動に取り組むことを示す。統計学の標準偏差正規分布において、6σは99.99966%の範囲を示す。
代表的なものとしては、「既存プロセスの改善、業務/製品/サービスの品質向上」を目指す基本的な「シックスシグマ(SS)」と、「既存プロセスの改善」を目指す「リーンシックスシグマ(LSS)」、新プロセス、新製品、新サービスの開発、顧客への提供価値の向上を目指す「デザイン フォー シックスシグマ(DFSS)」がある。
リーン(lean)は「無駄がない」「(人や動物に)ぜい肉がない」状態を示す英単語であり、生産においては「ムダとり」の意味合いを持つ。リーンシックスシグマは、リーンとシックスシグマを融合させた手法である。リーンシックスシグマにおいては、「定義、測定、分析、改善、管理」という5段階のステップを踏む「DMAIC」というサイクルを回して改善活動を実施する。デザイン フォー シックスシグマにおいては「DMADV」のサイクルを回し、「定義、測定、分析、設計、検証」の5段階となる。
シックスシグマのいずれの方法においても、実施の前提において「VOC(Voice of Customer、顧客の声)を重視し、真の顧客要求を抽出していくことが求められる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 3σと不良品発生の確率を予測する「標準正規分布表」
機械メーカーで3D CAD運用や公差設計/解析を推進する筆者から見た製造業やメカ設計の現場とは。 - 例題で理解する「そもそもシックスシグマって何だっけ?」
シックスシグマは改善のための重要ワード。でも、どう導入すればいいのか、どう考えるかを理解していますか? 簡単な例題から確認を - 失敗から学ぶ! T部長がハマった穴とその中身
入り口はありがちな間違いでした……。3つの落とし穴にハマった皆さんの例を参考に、同じ穴に落ちないための対策を考えましょう - 成功するプロジェクトの進め方と「リーンシグマ」の波
改善、定着フェイズの障害への対処法と現在注目を集める「リーンシグマ」の手法を紹介。事例を参考に継続的改善を成功させるコツを知る。 - 例題で理解する「そもそもシックスシグマって何だっけ?」
シックスシグマは改善のための重要ワード。でも、どう導入すればいいのか、どう考えるかを理解していますか? 簡単な例題から確認を。 - どうすればプロジェクトを阻む要因を排除できる?
部署横断プロジェクトに理解のない上司、担当者ごとの分析粒度の違い、あせる余りの勘違い……。目的遂行の阻害要因を排除するヒントとは?