粒子法
「粒子法」は、離散化手法の一種である。連続体における運動を有限数の粒子の運動として、離散化して計算する。構造解析や数値流体解析の手法として使われる。この手法では格子(メッシュ)を用いずに計算する。物質や物体を微小な粒子に見立て、粒子の集まりの動きを計算する。粒子は計算点ともいう。流体解析においては、流体の移動に追従して観測点も動くラグランジュ法となる。
粒子法は自由表面を柔軟に追跡でき、流体の現実世界に近い再現や、大変形の解析が得意な手法である。また、それぞれの手法は離散化の計算の仕方が異なる。流体解析法など従来の手法では困難であった、液体の飛沫を扱う問題、自由界面の事象が解析しやすい。
粒子法を構造解析で用いる場合は、構造物を粒子でモデリングしなければならないが、三角形シェル要素を用いたモデリングが行えるソフトウェアもある。
代表的な粒子法には「MPS(Moving Particle Simulation)法」「SPH(Smoothed Particle Hydrodynamics)法」「格子ボルツマン法(LBM)」がある。
SPH法は1970年代に宇宙物理学における研究から生まれ、長年改善を重ねながら発展してきた手法である。MPS法は1994年に東京大学 大学院の越塚誠一教授らが開発した国産の計算手法であり、非圧縮性流体の計算アルゴリズムを導入している。格子ボルツマン法は離散化されたボルツマン方程式を解く。ボルツマン方程式は、運動論的方程式の一種であり、並列計算との相性が良いとされる。空力騒音や希薄流体の解析に向いている。
「DEM(Distinct Element Method:個別要素)法」は、広義では粒子法の一種であるが、狭義では異なるとされる場合がある。DEM法は分離動力学分野の解析となり、粉体や粉じんなどを対象とする。
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