トポロジー最適化(位相最適化)
トポロジー最適化(位相最適化)とは、指定した材料分布範囲に対して設定した工学的な条件(設計変数)に基づき、最適な材料の密度分布を導き出す、構造最適化手法の一種である。例えば、指定した3Dモデルに荷重や拘束条件などの値を設定することで、強度を損なわずに軽量化可能な3D形状を生成できる。
トポロジー最適化の研究自体は1980年代後半から行われ、3Dデータ関連の技術としては比較的古くからあるものだ。トポロジー最適化のロジックとしては、研究黎明(れいめい)期の手法である均質化法と、後に登場した密度法、レベルセット法などがある。
現在、トポロジー最適化で生成される3Dデータは、ポリゴンメッシュデータ(3D CGデータ)が主流である。密度や寸法の概念があるソリッドモデルを中心に扱う3D CADにおいては、直接取り込んで編集できないソフトウェアが多い。よって、トポロジー最適化によって生成した3Dモデルは、設計や製造で直接活用するには課題があったが、近年、一部の3D CADではポリゴンデータの取り込みや編集に対応するものが登場してきている。
また、過去の技術は荷重や拘束条件を考慮して最適な立体構造データを導き出すのみであったが、現在は切削加工や射出成形などの製造性も条件として設定可能なソフトウェアが存在する。例えば、アンダーカットを生成することなく最適化形状を導くといったことが可能となっている。
ジェネレーティブデザインは、設定した条件に基づき最適化された形状を求める手法であるが、決められた空間内に一から形状を生成するため、基になる3Dモデルを指定する必要がない。また、トポロジー最適化が1度の条件設定から単一の最適化モデルのみを導き出す一方、ジェネレーティブデザインは複数の最適化モデルを導き出すことが可能である。なお、ジェネレーティブデザインは、トポロジー最適化とは区別して説明されることが多い。
トポロジー最適化やジェネレーティブデザインの技術は、工業デザイン、強度解析、機械設計などで活用されている。
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