FMEA
「FMEA」は“Failure Mode and Effect Analysis”の略称で、故障および不具合の未然防止を目的とした安全分析手法の一種である。“故障モードと影響の解析”の意味。FMEAは、システムを構成する要素を対象とし、設計段階で想定できる故障と影響を抽出し、分析を実施する。国際電気標準会議(IEC:International Electrotechnical Commission)の国際規格である。
FMEAは、想定していない故障を予測していく分析手法である。FMEAと並べて述べられることが多い安全分析手法「FTA(Fault Tree Analysis)」は“故障の木解析”と訳され、既に発生した故障の原因特定に使われる手法として知られる。ちなみに、この名称は樹木の枝のように要因を分析していく様子から取られている。
FMEAとFTAを連携させて取り組むケースもある。また、FMEAは未知の部分の予測が含まれるため、FTAよりも難易度が高い。デンソーではFMEAとFTAを一度に行いやすくする「FMEA辞書」などを活用している(参考記事:品質問題低減を目指したデンソーのFMEA辞書とPQDR活動)。
FMEAは「故障モード」と呼ばれる故障状態の分類を用いる。製品や部品の故障モードを挙げていき、ユーザーや製品に及ぼす影響や危険度を予測する。また、想定される故障の発生確率や影響度合いも評価する。FMEAは「設計FMEA」「工程FMEA」などのように適用されるプロセスにより分類される。
安全解析におけるFMEAは、次のように思考して検討を実施する(参考リンク:故障の影響解析(FMEA)と、故障の木解析(FTA)の活用|機械振興協会)。
- もし製品が故障したら? 使用者が誤操作したら?
- 事故による起こり得る危険
- 発生した危険が、使用者にどのような影響を与えるか?
- その影響によるケガのレベルは?
- ケガを予防するための対策
- 予防対策後のリスクレベルの判断、対応検討
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