DMG森精機は「第31回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2022)」(11月8〜13日、東京ビッグサイト)において、5軸加工機や複合加工機を中心とした工程集約を提案した。
DMG森精機は「第31回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2022)」(2022年11月8〜13日、東京ビッグサイト)において、5軸加工機や複合加工機を中心とした工程集約を提案した。
JIMTOF2022におけるDMG森精機のテーマは「工程集約/自動化/DX・GX」となっているが、その工程集約には「分割していたものを1台、ワンチャックで加工することでワークの精度が向上する他、自動化もしやすくなる、ロボット活用やデジタル化もやりやすくなる」(DMG森精機 執行役員 機械設計担当 栗谷龍彦氏)という意図を込めている。
複合加工機「NTX 1000」と10kg可搬のAMR(自律搬送型ロボット)「WH-AMR 10」2台を組み合わせたデモンストレーションでは、工具の搬送やロボットのハンドの付け替えを自動で実施した。
「WH-AMR」は自社製のAMRの上に協働ロボットを搭載している。レーザースキャナーによりリアルタイムで障害物を検知し、衝突を回避しながら走行する他、接地安定性も高く、高さ35mmまでのケーブルダクトを乗り越える。AMR自体の停車位置決め精度は±数十mmだが、ロボットのアームの先端に取り付けたビジョンセンサーが機械側に張り付けたタグを読み取ることで誤差を±1mmまで補正する。
今回は1台がワークの運搬、取付および加工機の主軸チャックの錠交換を担当した。1台で2つの役割を果たすため、ハンドチェンジ機能も備えた。もう1台は工具の運搬、取り付けを担当。NTX1000の工具主軸に工具を取り付け、取り出した工具を組み立てセルへと搬送した。
5kg可搬の「WH-AMR 5」はカメラ取付位置補正機能をアピールした。これはハンド部分に取り付いたビジョンセンサーがマグネットにより脱着できる方式になっており、取り付け後に本体に付けられたタグを読み取ることでセットアップ時とカメラとの位置ずれを認識して補正、最小隙間0.5mmの正確なローディング動作を披露した。
ターニングセンタ「NLX2500」と手押し台車に協働ロボットを搭載した「MATRIS Light」によるデモも披露した。ロボットのアームの先端に取り付けたビジョンセンサーが機械に付けたタグを読み取ることで、正確なワークの脱着動作を行った。MATRIS Lightは3点支持により台車の固定が可能で、セッティングは5分程度で終わり、部分的な自動化にも貢献する。ロボットの台車サイズは600×900mmとオペレーターの作業スペースに相当し、自動化のための個別のスペース確保が不要となっている。
横型マシニングセンタ「NHX4000」に計1600本の工具スペースを搭載したラック型の工具マガジン「CTS(セントラルツールストレージ)」とセットした治具を待機させる「LPP(リニアパレットプールシステム)」を組み合わせた大型の展示も行われた。
その他、カメラにより機上で工具を計測し、干渉を防止する「ツールビジュアライザー」、主軸に計測プローブを取り付け、複雑な形状のワークを機械から取り外すことなく非接触で計測する「非接触機上計測システム」なども紹介した。「非接触機上計測システム」は2種類のレーザースキャナーを用意している。専用の計測器とほぼ同等の精度を実現しているという。
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