三菱電機ではJIMTOF2022で、「絶えまない進化を、あなたのものづくりへ」をコンセプトに、製品ライフサイクルを通した新たなものづくり支援を展示する。JIMTOF2022を通して何を訴えるのか、三菱電機 産業メカトロニクス事業部長の田代勝氏に話を聞いた。
2020年のオンライン開催を挟み、4年ぶりのリアル展示会となる「第31回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2022)」。この間、カーボンニュートラルなどの新たな潮流が生まれ、新型コロナウイルスの感染拡大を契機としてデジタル化のニーズが一層高まった。激動の世界情勢も相まって、製造業を取り巻く事業環境は大きく変化している。
三菱電機ではJIMTOF2022において、「絶えまない進化を、あなたのものづくりへ〜導入からアフターまで支え続ける、加工革新とデジタライゼーション〜」をコンセプトに、製品ライフサイクルを通した新たなものづくり支援「ライフサイクル統合ソリューション」を展示する。JIMTOF2022を通して何を訴えるのか、三菱電機 産業メカトロニクス事業部長の田代勝氏に話を聞いた。
三菱電機 出展ブース 東6ホール E6013 南2ホール AM114
MONOist 足元の引き合いの状況などを教えてください
田代氏 状況の変化は激しく、まだら模様の状態だ。放電加工に関して言えば、国内では自動車の減産の影響でしばらく設備投資が弱かったが、ここに来て増えつつある。レーザー加工機は政府の省エネルギー投資促進支援事業費補助金の影響もあって、2022年度上期は好調だった。ただ、下期は補助金がない状態で営業活動を行うため、一段と引き締めないといけないと考えている。
海外を見ると、中国は上海などでロックダウンが行われ、当初の期待ほどではないというのが実情だ。欧米はインフレや金利高などの要素はあるが、それが原因で受注の状況が急変しているわけではない。ただ、良くなる保証もない。VUCA(Volatility=変動性、Uncertainty=不確実性、Complexity=複雑性、Ambiguity=曖昧性の頭文字)の時代といわれるが、先行きが全く分からないというのが正直な思いだ。
一方で、カーボンニュートラルやサステナビリティへの取り組みは待ったなしだ。濃淡はあるが、それらを意識していない企業はない。それに伴う新たな需要も出てきている。
MONOist 2018年以来のリアル展示会となるJIMTOF2022への期待とは
田代氏 4年ぶりのリアル展示会で、われわれも非常にワクワクしており、期待している。それは来場者も同じではないだろうか。オンラインを活用して新製品の発表なども行ってきたが、リアルに勝るものはないと思っている。既存のお客さまにはオンラインでも伝わるが、新規のお客さまにご理解いただくには、やはりリアルの場が大事だ。
直近では政府の水際対策も緩和された。既に海外の拠点から、ユーザーがJIMTOF2022に行かれる、という話も聞いている。以前のようなインセンティブツアーができる状況ではないが、逆にそれがなくてもJIMTOFに行きたいというお客さまがいる。円安との相乗効果で、海外からの来場者も思った以上に来られるのではないか。
MONOist JIMTOF2022の出展内容や注目点を教えてください
田代氏 コロナ禍の開催であることに変わりはない。密な環境を避けるため、出展機種も絞る。
放電加工機は超高精度ワイヤ放電加工機「MPシリーズ」、形彫放電加工機「SV-Pシリーズ」を出展する。昨今は省人化、自動化の流れもあるため、AMR(自律移動型ロボット)とロボットを用いたデモンストレーションを予定している。人を介さずにワークを加工機まで運び、加工後に取り出して搬送する仕組みだ。
レーザー加工機はCFRP(炭素繊維強化プラスチック)専用の「CVシリーズ」を展示し、実際にCFRPの加工も行う。従来、CFRPはマシニングセンタで切削したり、ウォータジェットで切断したりしていたが、レーザーでも加工できることを示し、加工時間の短縮や廃液の削減につながることをアピールしたい。CFRPはこれからさらに用途が広がっていく素材だ。CFRPを用いた軽量化はサステナビリティにも貢献する。
CNCでは、「M800V/M80Vシリーズ」の新しい機能などを提案する。また、以前から展開してきた、加工機やCNCのリモートサービス「iQ Care Remote4U」から得られるデータを活用した提案できるようになった。
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