ジェイテクトは2022年4月に事業ブランドをJTEKTに統一。それに合わせて研削盤の新シリーズを相次いで発表した。「第31回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2022)」で何を訴求するのか、ジェイテクト 工作機械・システム事業本部 本部長の荒井義博氏に話を聞いた。
2020年のオンライン開催を挟み、4年ぶりのリアル展示会となる「第31回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2022)」。この間、製造業を取り巻く事業環境は大きく変化した。ロシアのウクライナ侵攻をはじめ混沌とする世界情勢、カーボンニュートラルへの機運が高まり、企業の取り組みは不可避となった。
このような環境下、ジェイテクトは2022年4月に事業部間のさらなる技術シナジーの創出による製品力の強化などを掲げて、事業ブランドをJTEKTに統一した。それに合わせて研削盤の新シリーズを相次いで発表している。JIMTOF2022で何を訴求するのか、ジェイテクト 工作機械・システム事業本部 本部長の荒井義博氏に話を聞いた。
ジェイテクト 出展ブース 東3ホールE3011・E3012 西2ホールW2051・W2052
MONOist 足元の引き合いの状況などを教えてください。また、ブランド統一に関するユーザーの反応は。
荒井氏 大変好評だ。事業ブランド統一と合わせてマシンカラーも変えており、イメージが変わったと受け止めていただいている。
国内においてはエンジン部品以外の一般市場での受注が回復している傾向にある。中国では新エネルギー車向けとともに高需要を維持している。北米は利上げが続き、インフレ懸念がある。サプライチェーンは景気後退のリスクを含んでいる。
MONOist 4年ぶりのリアル展示会となるJIMTOF2022への期待とは。
荒井氏 久しぶりのリアル開催ということもあり、非常に期待している。「ONE!JTEKT」として総力を結集した形で出展する。幅広い領域のユーザー向けに、課題解決ソリューションを訴求していきながら、盛り上げていきたい。
コロナ禍における商談では、リアルに機械をご紹介することがなかなかできなかった。オンライン会議などを活用しながら機械や図面を見ていただき、海外のユーザーともそういったやりとりができるようになった。
ただ、直に実機を見たい、触りたいというユーザーも多くいらっしゃる。そういった声に応える良い機会だと考えている。
MONOist JIMTOF2022の出展コンセプトなどを教えてください。
荒井氏 ジェイテクトとして東ホールと西ホールに出展する。東ホールは自動化、省人化をテーマに、2022年に発表したCNC円筒研削盤「G1 Series」から「G1P20S」、ジェイテクトグループの技術を結集した立型複合研削盤「G3VU86」など5機種の工作機械を展示する。これまでのTOYODA研削盤からJTEKT研削盤へ、精度を一段と高めた姿をご覧いただきたい。
主力商品である中位機種の円筒研削盤「G3 Series」(G3P100L)は今回が国内外展示会での初披露となる。日本の製造業は匠の技と呼ばれる職人の腕が支えてきた。その技は一朝一夕にはまねできない。そういった熟練者の感覚、感触を頼りに1μm台の精度が出せる「ステアバイワイヤハンドル」も付けて展示する。
既に掲げている“良質廉価”のみならず、製造現場での困りごとに対して、生産性向上に寄与するソリューションを提案する。
西館ではカーボンニュートラルの達成をテーマにおいて、工作機械の構成部品や生産ラインの付帯装置、運用/保全を通じたソリューションを提案する。消費エネルギーの分析だけでなく、削減の提案までできるデジタル技術と共に紹介する。
MONOist 今後の事業展望は。
荒井氏 従来、われわれは自動車のエンジン部品を得意としてきた。これからはEV化の進展で広がるさまざまな産業分野へと進んでいきたい。今回のJIMTOF2022では、幅広いユーザーに貢献できるラインアップをそろえた。来場者に実機を見ていただき、意見を聞きながら、ソリューションをより向上、発展させていきたい。
MONOist JIMTOF2022の来場者へメッセージをお願いします。
荒井氏 労働人口の減少やカーボンニュートラルへの取り組み、エネルギーや材料価格の上昇など、事業環境の変化を実感されているユーザーも多い。特に高度な技能を求められるモノづくりの現場においては自動化、省人化による生産効率の向上を期待されており、対応が急務だ。
ジェイテクトとしては最新鋭の工作機械、技術、ソリューションの提供を通して貢献していきたい。
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