自動化の”その先”へ、シチズンがJIMTOFでワークフロー改革提案JIMTOF2022(1/3 ページ)

シチズンマシナリーは「第31回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2022」(11月8〜13日、東京ビッグサイト)への出展コンセプト説明会を軽井沢本社(長野県北佐久郡)で開催し、出展予定の新製品、技術などを紹介した。

» 2022年10月11日 13時00分 公開
[長沢正博MONOist]

 シチズンマシナリーは2022年10月7日、「第31回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2022)」(同年11月8〜13日、東京ビッグサイト)への出展コンセプト説明会を軽井沢本社(長野県北佐久郡)で開催し、出展予定の新製品などを紹介した。

自動化やLFVを軸に3機種の新製品を展示

 出展テーマは「Creating New value、今ある価値のその先へ」とした。精密部品加工に携わる全ての人々の働き方に焦点を当て、人と機械を技術でつなぐイノベーションで、自動化、省力化のさらに先のまだ見ぬ新たな価値を創出、ワークフローに革新をもたらすトータルソリューションを提供する。

 新製品は3機種を展示する。主軸台移動形CNC自動旋盤「L20XIIB5 自動化・省力化モデル」は、ベストセラー機であるCincom「L20」の最上位機種「L20XIIB5」に、協働ロボットを活用した高度な自動化システムであるFAフレンドリー オンカートタイプを付加した。ロボットと機械モジュールをカート上に組み込み、後工程をコンパクトに集約。加工後のワークの取り出しから協働ロボットによるハンドリング、簡易洗浄、エアブロー、外観検査、パレタイジングまで自動化する。搭載ロボットは複数メーカーより選べる。

 くし刃刃物台には自動工具交換装置を搭載した他、チャック力自動調整機能、チャック力表示機能で段取り時間を削減する。発売は2022年11月、価格は2760万円(税別)からとなっている。

主軸台移動形CNC自動旋盤「L20XIIB5」(左)と、協働ロボットを用いたFAフレンドリー オンカートタイプ[クリックして拡大]出所:シチズンマシナリー

 主軸台固定形CNC自動旋盤「ANX42SYY 生産性向上モデル」は、シチズンマシナリー独自のLFV(低周波振動切削技術)を採用したMiyano「ANX42SYY」に、産業用ロボットを用いたFAフレンドリー オンカートタイプを組み合わせた。エアブローや全長計測、パレタイジングを自動化し、打痕のない製品回収を実現する。エアーブローの断続吐出やエアーバージの制御機能でエアー使用量も削減している。発売は2022年11月で、価格は3107万円(税別)からとなっている。

主軸台固定形CNC自動旋盤「ANX42SYY」(左)と、産業用ロボットによるFAフレンドリー オンカートタイプ[クリックして拡大]出所:シチズンマシナリー

 滑りスライドにLFV技術を初めて搭載した主軸固定形CNC自動旋盤Miyano「BNA42SY」も展示する。

 シチズンマシナリー 取締役執行役員 開発本部長の露崎梅夫氏は「LFVはこれまでCincomで使っている転がりスライドと親和性が高く、Cincomで先行した搭載してきた。Miyanoの滑りスライドとの親和性は長い期間での評価が必要と考え、数年をかけて内部実験とフィールドでのテストを行ってきた結果、LFVの搭載が可能だと判断した。今後はCincom、MiyanoそれぞれのLFV技術搭載比率を高めて販売台数を伸ばしていきたい」と語る。発売は2022年12月で、価格は1145万円(税別)からとなっている。

主軸固定形CNC自動旋盤Miyano「BNA42SY」にLFVを搭載[クリックして拡大]出所:シチズンマシナリー

 3インチの小型チャッカー機Miyano「RL03」をリニューアルしたモデルを参考出品する。全軸リニアガイドのLFV標準搭載機で、主軸、送り軸の加減速を向上させることで従来機比でサイクルタイムを13〜15%ほど削減した。また、熱変位補正機能を搭載することで、長時間の高精度運転が可能になった。これら新製品を含めて計14機種を並べる。

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