シチズンマシナリーは中期経営計画(2022〜2024年度)において、売上高1000億円に至るための事業基盤の構築を目指している。その一環として、約200億円を投じて2023年までに国内外で生産能力を4割増強する。
中国では既に工場を移転、拡張して2021年8月に稼働している。中国市場は中長期的な拡大が見込まれることから今後、従来比の倍となる月産350台まで高める。タイの工場も増床し、2022年11月に竣工予定となっている。従来比5割増の月産350台を計画している。
国内でも軽井沢に精密加工工場を新設する。2023年3月に竣工し、生産能力は従来比6割増になる見通し。スピンドルなどの基幹部品をタイ、中国に供給する。ロボットやAGV(無人搬送車)を活用して自動化を進める。
同社 代表取締役社長の中島圭一氏は「工作部品の心臓部ともいえる精密加工部品は軽井沢本社工場で一貫生産している。専門的な知識や熟練の技術が必要だ。国内で製造し、グローバル拠点に供給することで高い品質、高い精度の機械を全世界に供給する」と意気込む。
2021年にドイツ、イタリアにテクニカルセンターを開設した他、2022年5月にはタイにアセアン・ソリューションセンターを開設し、同年10月には重要市場のインドでテクニカルセンターを移転、拡張する。インドは自動車や医療で需要拡大を見込んでいる。従来比2倍のスペースに7機種を展示し、2024年までに年間300台の販売を目指す。
2013年から投入されたLFVは、シチズンマシナリーが世界に先駆けて開発した技術だ。独自の制御技術でサーボ軸を主軸回転と同期しながら切削方向に振動挙動させ、切削中に刃物が当たらない空振り時間を設けることで切りくずを分断させる。2022年9月に搭載機械の累計販売台数は全世界で4500台を突破、2022年度中には5000台に達する見通しだ。
2018年以来のリアル展示会となるJIMTOF2022は、これらの構想実現に向けた起爆剤となることが期待される。中島氏は「対面で会うと話題が広がり、情報量が増える。久しぶりにお会いできるので同窓会のようにワクワクしている」と語る。
「JIMTOF2022」はリアル開催で史上最大規模に、積層造形技術の特別企画も
進む製造機械の「知能化」、学習済みAIを搭載する動きが拡大へ
進む産業機械のスマートフォン化、標準化とオープン化がカギに
工作機械の共通インタフェース「umati」とは何か?
工場のリモート対応は2022年も加速、映像活用拡大もネットワーク環境が課題に
30年前に予見した「有人化工場」、機械データサービス定着を目指すシチズンの挑戦Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Factory Automationの記事ランキング
コーナーリンク
よく読まれている編集記者コラム