日本工作機械工業会と東京ビッグサイトは、工作機械と関連製品/技術の展示会「第31回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2022)」を開催すると発表した。開催期間は2022年11月8〜11月13日の6日間で、新たに加わった南展示棟を含めて東京ビッグサイト全館を使用し、史上最大規模での開催となる。
日本工作機械工業会と東京ビッグサイトは2021年8月19日、オンラインで会見を開き、工作機械と関連製品/技術の展示会「第31回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2022)」を開催すると発表した。開催期間は2022年11月8〜11月13日の6日間で、新たに加わった南展示棟を含めた総展示面積11万8540m2の東京ビッグサイト全館を使用し、史上最大規模での開催となる。
1962年に第1回を開催したJIMTOFは、JIMTOF2022で60周年を迎える。前回の「JIMTOF2020」は、コロナ禍による東京オリンピック・パラリンピックの開催延期の影響もあり、初のオンライン開催となったが、JIMTOF2022は国内で最も広い展示場となる東京ビッグサイト全館を使用した“リアル開催”を前提に、2021年10月1日から出展社募集を始める。
コロナ禍前の2018年11月に開催した「JIMTOF2018」は、出展規模が出展社数1058社/出展小間数5524小間で史上最大となり、来場者数が完全登録制を採用した1996年以降で最高の15万3103人を記録した。JIMTOF2022の出展規模については、東京ビッグサイトに新たに南展示棟が加わって展示面積が拡大するとともに、4年ぶりのリアル開催となることから、JIMTOF2018を超える史上最大規模を見込んでいる。来場者数については、コロナ禍の影響で先行きが不透明なこともあり「15万人超を目指す」という表現にとどめた。
JIMTOF2022では、毎回半数を超える出展社が行っている新製品の初披露が期待される他、オンライン開催となったJIMTOF2020で好評だったデジタルPRツールを活用して、オンラインカタログ機能や公式Webサイト上での情報発信サービスを拡充する。ただし、「オンラインはリアル開催への期待感を醸成するためのツールの一つ」という位置付けであり、オンライン上での情報発信を強化することでリアル開催への期待感を醸成させ、来場誘致と商談の活性化を図る方針だ。
また、併催企画としては、IMEC(国際工作機械技術者会議)や、次世代を担う大学生、高専生向けの学生企画に加えて、南展示棟を使って積層造形(AM:Additive Manufacturing)技術関連の製品や技術に特化した特別企画「Additive Manufacturing エリアin JIMTOF2022」を行う。
日本工作機械工業会 専務理事の柚原一夫氏は「工作機械の受注はコロナ禍による大幅な落ち込みから回復の途上にある。2021年7月分の受注速報は前年同月比93.4%増の1349億円で、9カ月連続の増加となった。このうち内需は半導体や自動車関連がけん引するとともに補助金採択案件が下支えし同75.3%増の434億円、外需は中国中心に欧米含めた全地域で回復が続いており同103.4%増の914億円となっている。コロナ禍に加え、米中対立、アフガニスタン情勢の不安定化などもあり、依然として先行きは不透明だが、ユーザー産業の強い設備投資ニーズに支えられて、工作機械の受注状況は総じて順調に推移している。製造業のイノベーションに向けて、周辺装置とロボットを組み合わせた自動化や、5Gを活用した多数機器の周辺接続、地球環境保全に対応するカーボンニュートラルなどが求められており、こうした変化のうねりを捉え、ユーザーニーズとして適応していくことが工作機械業界の成長にとって必要だ。これらの多様化するニーズに対応する『ものづくりの総合見本市』のJIMTOFの果たす役割は大きい」と語る。
なお、オンライン開催となったJIMTOF2020については、参加に地理的制約がないことや、ウェビナーの参加のしやすさなどが好評だったものの、参加者の全体的な満足度は従来と比べてかなり落ちた。「日本を代表するモノづくりの展示会であるJIMTOFは、やはり生で見たいという声が強いこともあり、JIMTOF2022はリアル開催でいくことを決めた」(JIMTOF事務局)という。
また、コロナ禍の収束が見えない中でのリアル開催の発表となったが「2022年11月の時点でどうなっているかは分からないが、そのころには事態は改善の方向にあるだろう。工作機械各社は、JIMTOFの出展に向けて新製品を開発しており、事業の一環として重要な位置付けになっている。そこで、JIMTOF2022のリアル開催に向けてしっかり準備していることを示すべきだと考えた」(同事務局)としている。
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