続いて、現在の人事評価に関する課題を尋ねた。トップ3は、「人事評価制度への従業員の納得感が低い」(48.7%)、「評価基準があいまいである」(48.3%)、「テレワーク下での部下の仕事ぶりの評価が難しい」(46.0%)だった。また、人事評価に関して、コロナ禍で課題感が高まったものは「テレワーク下での部下の仕事ぶりの評価が難しい」(39.3%)が突出していた。
現在の昇進、昇格の課題は、「昇進、昇格そのものに魅力を感じない者が増えている」(57.4%)が最も多かった。次いで「昇進、昇格要件(基準)があいまいで納得性がない」(42.6%)、「現管理職の後に続く人材が枯渇してきている」「管理職全体の質(レベル)が低下してきている」(同率41.8%)となり、いずれも40%を超えている。
昇進、昇格に関して、コロナ禍で課題感が高まったものを見ると、「昇進、昇格そのものに魅力を感じない者が増えている」(25.9%)が最も多かった。
現在の人材マネジメントの成果を捉える指標は、「従業員満足度」(60.3%)が最も多かった。次いで「有給休暇取得率」(48.9%)、「時間外労働時間」(47.7%)、「総額人件費」(44.0%)、「従業員一人当たりの売上あるいは利益」(41.3%)となっている。また、今後の人材マネジメントの成果指標も、1位は「従業員満足度」(37.1%)だった。2位は「女性管理職比率」(31.4%)となっている。
「現在、従業員を動機づけるために重要なもの」は、「仕事のやりがい」(58.0%)と「高い給与」(46.4%)が特に多かった。「5年後、従業員を動機づけるために重要なもの」も「仕事のやりがい」(48.7%)と「高い給与」(36.7%)が多いという傾向に変わりはなかった。ただ、「多様な働き方の選択」(26.9%)については、現在(15.1%)より10ポイント以上多くなっている。
組織、人事の課題として、コロナ禍で高まったものもあるが、もともと根深い問題構造があり、それがコロナ禍によってあぶりだされたとも考えられる。同社では、ミドルマネジメントに依存するマネジメントの限界が顕在化しつつあるという仮説を立てている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.