スコラ・コンサルトが「組織に関するアンケート調査」の結果を発表した。若手社員と40〜60代では、コミュニケーションスタイル、仕事や組織への貢献意識などの価値観に違いが見られた。
スコラ・コンサルトは2024年12月16日、「組織に関するアンケート調査」の結果を発表した。
同調査の対象者は、全国の社員100人以上の企業の一般職、管理職、役員で、6186人から有効回答が得られた。内訳は、一般職(一般社員、係長)が3771人、管理職(課長、部長)が1600人、役員(役員、経営者)が815人となっている。
初めに、仕事に対する価値観について尋ねた。年代別集計で、20代が他の年代より比較的多く回答した項目は、「上司からのフィードバックは頻繁に受けたい」(14.4%)、「転職を視野に入れたキャリアアップを考えている」(14.5%)、「対面や電話より、オンラインやチャットの方がコミュニケーションしやすい」(9.8%)だった。
また、若い年代ほど回答が少ない項目を3つに分類した。コミュニケーションスタイルについては、積極的なコミュニケーションや発信に関する項目の回答割合が低かった。例えば「仕事で関わる人とは自分から積極的にコミュニケーションを取るようにしている」は、20代は14.4%だった(30代:20.0%、40代:21.1%、50代:23.2%、60代:28.0%)。
また、仕事や組織に対する貢献意識に関する項目も回答割合が低かった。「自分の業績だけでなく、所属する組織に貢献しようとしている」は20代が11.4%で、40代以上の半数以下となった(30代:17.5%、40代:24.5%、50代:27.4%、60代:32.4%)。
柔軟性や失敗を恐れない姿勢については、20代の回答は「決まったやり方を踏襲するより、効率の良い方法を柔軟に取っている」が17.2%、「新しい方法や前例のない仕事に失敗を恐れずチャレンジしている」が7.7%で、いずれも他の年代に比べて最も低かった。
続いて、40〜60代の管理職、役員(「20代以下の部下がいたことがない」人を除く)に「20代の若手社員をマネジメントする際に、どのような困難を感じたことがありますか」と尋ねた。その結果、上位3項目は「『パワハラ』にならないよう、部下と接する際に気を遣うことがある」(37.0%)、「『セクハラ』にならないよう、部下と接する際に気を遣うことがある」(25.9%)、「部下の中でも価値観が多様であり、一律の対応が難しい」(25.4%)となった。
40〜60代の管理職、役員に「20代の頃、職場で体験したこと」を尋ねると、1位は「上司や職場の人とお酒を飲みに行く機会が頻繁にあった」「職場では残業や休日出勤が当たり前だった」(同率46.7%)、3位が「喫煙所で雑談している人がよくいた」(45.0%)だった。
40〜60代の管理職、役員が20代社員をマネジメントする際に感じる困難と、20代の頃に職場で体験したことを比較した。現在の40〜60代の管理職、役員はパワハラやセクハラにならないよう気を遣うという回答が多かったが、管理職が20代の頃は、上司や先輩からのパワハラ、セクハラが当たり前にあったという声が上がった。働き方についても、現在は「部下に残業や休日出勤を命じにくい」が、20代の頃は「残業や休日出勤が当たり前だった」と、社員の価値観や職場環境には大きなギャップが見られた。
最後に、各年代に世代が上の人と仕事をする中で驚いたこと、困ったことを尋ねた。「自分の意見を押し付けてくることに困った」(20代→50代)、「タイパが悪い資料作りを要求される」(20代→50代)、「PC操作などの理解があまりないことに困った」(40代→60代)、「休みの日でも仕事を優先する」(20代→50代)、「20代の女性職員に個人的な連絡や、食事の誘い、性的な発言」(20代→40代、50代)などのコメントが挙がった。
各年代から20代、30代と接して驚いたこと、困った経験は、「先輩に仕事を押し付けて自分は定時で帰る姿に驚いた」(20代→20代前半)、「無断欠勤、欠勤連絡をLINEでする」(40代→20代)、「社内のルール上決められている手続きを、タイパが悪いからやりたくないと拒否」(30代→20代)といった声が寄せられた。
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