IoT化に貢献する新機能追加、機器のデータをクラウドまでシームレスに接続:FAニュース
デンソーウェーブは、データ統合コントローラー、ソフトウェア「IoT DS」の新拡張機能「Cloud Connector for Microsoft Azure」を発表した。デバイスとクラウド間の連携を容易にし、大規模なIoT環境構築に貢献する。
デンソーウェーブは2020年9月1日、データ統合コントローラー「IoT Data Server」とデータ統合ソフトウェア「IoT Data Share」の新拡張機能「Cloud Connector for Microsoft Azure」を発売した。価格はオープンとなる。
新機能により、IoT Data Server、IoT Data Share(IoT DS)がデバイスから収集したデータをプログラムレスで「Microsoft Azure」に公開できる。デバイスとクラウド間の連携を容易にし、簡単かつ安全に大規模なIoT(モノのインターネット)環境構築に貢献する。
機器のメーカーや通信規格に左右されずにデータを収集できるIoT DSは、「つなぐプラットフォーム」として同社が開発。IoT DSが収集したさまざまな機器のデータを、IoT Central、IoT Hub、IoT EdgeをはじめとしたAzureが提供するサービスと簡単に連携可能になる。500種類を超える機器のデータをクラウドまでシームレスに接続し、大規模なIoT環境の構築をサポートする。
「Cloud Connector for Microsoft Azure」のイメージ(クリックで拡大) 出典:デンソーウェーブ
新機能には、データ連携の設定時間を従来の5分の1に短縮する、Azure専用設定ツールのIoTデバイスリンク機能、Azure専用のアクションを4つ追加したトリガーアクション機能、IoT DSのプロジェクトの状態やバージョン情報をAzureから取得できる状態監視機能が含まれる。
設定時間を短縮するIoTデバイスリンク機能(クリックで拡大) 出典:デンソーウェーブ
Azure専用のアクションを4つ追加したトリガーアクション機能(クリックで拡大) 出典:デンソーウェーブ
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