低圧三相モーターの異常を、故障前に自動で高精度検知する診断装置FAニュース

三菱電機は、モーター診断装置「DiaPro Motor」を発表した。工場の機械設備の動力となる低圧三相モーターの異常を、故障前に自動で高精度に検知できるため、モーター点検作業の効率化、省力化に貢献する。

» 2020年07月16日 07時00分 公開
[MONOist]

 三菱電機は2020年6月23日、モーター診断装置「DiaPro Motor(ダイアプロ モータ)」を発表した。2020年度上期に販売を開始する。

 DiaPro Motorは、独自の電流信号解析技術を導入しており、異常な振動や回転軸のずれなど機械系の異常と、レヤショート(固定子巻線ターン間の短絡)、回転子バーの損傷といった電気系の異常の両方を高精度に検知する。モーター正常時の信号強度を学習して、異常の診断や兆候検知ができる独自機能も有する。

 これらの機能により、工場の機械設備の動力となる低圧三相モーターの異常を、故障前に自動で高精度に検知。設備の突発的な停止を未然に防ぐため、モーター点検作業の効率化、省力化が図れる。

キャプション モーター診断装置「DiaPro Motor」(クリックで拡大) 出典:三菱電機

 搭載したクランプ式電流センサーにより、設置の際に既存設備の配線を変更する必要がない。また、機械系異常診断に用いる振動センサーが必要ないため、水中や高所など、センサーの取り付けが困難な場所にあるモーターの診断にも対応する。

 導入時は、異常時の判定に必要となるモーター固有の情報が既に入力されており、容量やベアリング番号などモーターの基本情報を設定するだけで、熟練した点検技術を持たない作業員でも使用できる。

 工場内のネットワークに接続した別売りのゲートウェイ装置と無線接続すれば、PCやタブレット、スマートフォンを使って、モーターの状況を工場内のどこからでも監視できる。

 同社では、販売開始に向けてDiaPro Motorの検証試験を実施し、今後は高圧モーターやインバーターモーター対応の製品を開発して、ラインアップを拡充していく。

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