情報基盤開発は、「AltPaperストレスチェック業種別レポート」の第一弾として「製造業」の調査結果を発表した。製造業は、男女共に「高ストレス者の割合」「総合健康リスク」の数値が、全国平均や他の業種と比較して高かった。
情報基盤開発は2020年7月3日、「AltPaperストレスチェック業種別レポート」の第弾として「製造業」の調査結果を発表した。
同調査は、同社のサービス「AltPaperストレスチェックキット」を2019年に利用した企業962社の提供データを基にしたものだ。「高ストレス者の割合」や「総合健康リスク」「ストレスチェック各尺度」について平均値を算出している。製造業は200社が参加した(男性:1万9427人、女性:1万44人)。
業種別の「高ストレス者の割合」「総合健康リスク」を見ると、製造業はどちらも男女共に高かった。特に男性の「総合健康リスク」は、全国平均の10%以上と全業種の中でも特に高リスクとなっている。
次に、「ストレスチェック各尺度」について、職業性ストレス簡易調査票の各尺度の平均値と全国平均値との間に、どのくらいの隔たりがあるかを調べた。全国平均値を0として、1から−1の間に全国データの7割が入るように正規化数値を算出したところ、製造業の男性の数値は、ほぼ全ての尺度で同業種の女性および全国平均の数値を下回っていた。
「ストレスチェック各尺度」の中には、「総合健康リスク」の判定に使われる4つの尺度がある。「心理的な仕事の負担(量)」「仕事の裁量度」「上司からの支援度」「同僚からの支援度」で、この4つに注目すると、男女共に「心理的な仕事の負担(量)」の数値は全国平均並みだったが、「同僚からの支援度」は、全国平均を大きく下回っている。
また、男性は「仕事の裁量度」と「上司からの支援度」が全国平均を下回った。このように、健康リスク判定に用いる尺度の数値が低いことから、製造業全体の「総合健康リスク」が110前後と高数値になったと考えられる。
製造業の「ストレスチェック各尺度」では、「上司からの支援度」は比較的良い数値に見えるが、他業種の平均と比べると下位になる。
また、4つの尺度以外では、男性も女性も「自覚的な身体的負担度」と「家族や友人からの支援度」の数値が、全国平均を大きく下回った。特に男性は「職場の対人関係上のストレス」「職場環境によるストレス」「働きがい」の数値が、他業種のデータを大きく下回っている。
今回の調査で、製造業は項目によって男女間の差が大きいことが分かった。また、男性は全国平均を上回る項目が少なく、「職種や担当、携わる作業や工程の内容によって身体的負担が異なる」「男性が身体的負担の高い作業に従事する傾向がある」ことが考えられる。
同社では、製造業で働く人に実行してほしいセルフケアとして、意識的な体のメンテナンスを習慣づけるよう提案している。体のメンテナンスは精神的疲労の軽減や怪我の予防、ポジティブな思考へとつながる。また、精神的な疲労に効果的であるとして、映画や美術、小説などに触れて感情を解放することを勧めている。
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