正社員の5.4人に1人が労働時間を「増やしたい」と回答、理由は「収入増」キャリアニュース

Indeed Japanが「労働時間に関する調査」の結果を発表した。回答者の5.4人に1人が労働時間を「増やしたい」と考えており、理由のトップは「収入を増やしたいから」だった。

» 2025年02月27日 10時30分 公開
[MONOist]

 Indeed Japanは2025年2月14日、「労働時間に関する調査」の結果を発表した。同調査は、現在就業中の20~59歳の正社員男女2000人を対象とした。

 初めに、直近6カ月における1カ月当たりの労働時間を尋ねたところ、「残業なし(月160時間未満)」が30.3%、「残業あり(月160時間以上)」が69.7%だった。「残業あり」の内訳を見ると、1カ月当たりの残業時間が「25時間未満」は47.6%、「45時間未満」は15.6%、「45時間以上」が6.5%となっている。

キャプション 直近6カ月における1カ月当たりの労働時間[クリックで拡大] 出所:Indeed Japan

 1カ月当たりの望ましい労働時間として、現在よりも労働時間を減らしたいか増やしたいかを尋ねた。その結果、「今のままでよい」(46.7%)が最も多く、約半数が現状を望ましく感じていた。「減らしたい」は約3人に1人となる34.9%、「増やしたい」は5.4人に1人となる18.4%となった。

 年代別に見ると、若年であるほど労働時間を「増やしたい」の割合が高い傾向が見られた。最多の20代では22.6%を占めている。一方、「減らしたい」の割合が最も多かったのは30代で、38.7%だった。

キャプション 現在よりも労働時間を減らしたいか、増やしたいか[クリックで拡大] 出所:Indeed Japan

 「労働時間を増やしたい理由」は、1位が「収入を増やしたいから」(67.1%)、2位が「やるべき仕事が終わらないから」(25.3%)、3位が「たくさん経験を積みたいから」(14.7%)だった。

 年代別に理由を見ると、年代ごとに特徴があった。20代の1位は「収入を増やしたいから」(77.7%)で、全体を10.6pt上回った。2位の「キャリアアップ、昇進につながるから」(18.7%)は全体より8.1p多かった。

 30代で、全体より高かった項目は2位の「たくさん経験を積みたいから」(20.6%、全体+5.9pt)、4位の「キャリアアップ、昇進につながるから」(16.0%、全体+5.4pt)、5位の「仕事をすることが好きだから」(15.5%、全体+5.1pt)で、40代は2位の「やるべき仕事が終わらないから」(31.6%、全体+6.3pt)が多かった。

キャプション 労働時間を増やしたい理由[クリックで拡大] 出所:Indeed Japan

 「労働時間を減らしたい理由」についても尋ねた。1位が「プライベートの時間を増やしたいから」(65.6%)、2位が「身体的、精神的な仕事の負担を減らしたいから」(48.6%)、3位は「家族のための時間に充てたいから」(28.4%)だった。

 年代別に見ると、20代は3位の「仕事をすることが好きではないから」が37.2%で、全体より11.1pt多かった。4位の「副業の時間に充てたいから」は29.1%で、全体より17.9pt多かった。

 30代は、3位の「家族のための時間に充てたいから」が33.4%(全体+5.1pt)、4位の「仕事をすることが好きではないから」が31.1%(全体+5.0pt)、5位「副業の時間に充てたいから」は17.6%(全体+6.4pt)となっている。20代と同様に本業への意欲が高くないことに加え、家族を優先したいという傾向が見られた。

キャプション 労働時間を減らしたい理由[クリックで拡大] 出所:Indeed Japan

労働時間に関する価値観は二分

 続いて、労働に関する価値観について尋ねた。「労働時間と収入」「労働時間の長さ」「業務の内容や質」「ワークライフバランス」の4つのテーマで相反する2つの考えを提示し、回答者自身の考えがどちらに近いか尋ねると、「労働時間の長さ」に関する考え方が拮抗していた。

キャプション 労働に関する価値観[クリックで拡大] 出所:Indeed Japan

 「A:労働時間は常にできるだけ短くしたい」と「B:労働時間はライフステージや年齢の変化に合わせて柔軟に調節したい」では、Aが52.7%、Bが47.3%とどちらもほぼ半数だった。

 また、「A:社会的に、一律して労働時間を減らす努力をすべきだ」と「B:個人の考えが尊重され、希望する人は長く働くことができる社会になるべきだ」では、Aが48.4%、Bが51.6%で、こちらもほぼ半々だった。

 労働時間については「できるだけ短い方が良い」という考え方と「個人の状況や希望に合わせて調整できる方が良い」という価値観が、同じくらい存在していることを示す結果となった。

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