技術職、専門職向けの転職サービスを展開するアスタミューゼが、「人材動向」についての調査結果を発表した。「転職を考えた理由」で最も多かったのは「今の職場に夢がない」で、「給与が上がらない」を超えて、初の1位となった。
技術職、専門職を対象にした転職サービスを展開するアスタミューゼは、2019年7月24日、「人材動向」についての調査結果を発表した。
同調査は、同社が運営する「転職ナビ」の登録者から、ランダムで抽出した1725人を対象とし、そのうち622名から回答を得た。
はじめに、「転職を考えた(決めた)理由」を尋ねたところ、「今の職場に夢がない」(33%)が最も多かった。続いて「やりがいを感じられない」(31%)、「給与が上がらない」(30%)という結果だった。「今の職場に夢がない」は、「給与が上がらない」を超え、初の1位となった。転職条件の優先順位が徐々に変化していることがうかがえる。
次に、「転職先に求めるもの」を尋ねた。その結果、最も多かった回答は「給与の向上」(50%)だった。次は「社会貢献性」(38%)で、社会課題に対する意識の高まりを反映した結果となった。3位は「技術の先進性」(32%)だった。
同社は、ダニエル・ピンクの著書『モチベーション3.0』を参考に、専門職やエンジニアがモチベーションを維持するのに必要な3つの要素として「自主性を重んじた職場環境」「自己の成長を実感できる仕事」「適切な目標設定」を挙げている。
これらを満たすには、共感できるビジョンや経営理念が企業にあるかが重要となる。「転職先に求めるもの」の4位には「経営ビジョンと事業の連動」が挙がっており、この結果からも、今後、企業が人材を確保するためには、即戦力となる30代、40代のみならず、全ての従業員に対して企業理念の浸透を図る必要があると言えそうだ。
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