これらを踏まえて実証実験を実施。実証実験はハンディタイプ(特定小電力)のRFIDリーダーと固定型の高出力タイプのRFIDリーダーを使用して行った。
実証実験の結果、ハンディタイプでは、読み取り成功率が96%で100%ではなかったために、運用が難しいという結論となった。ただ、その他で懸念点としてあった材質の違いや高さなどは特に大きな問題はないことが分かったという。一方でリーダーとパレットの距離や通過スピードなどは読み取り制度に影響を与えるということが分かったという。
高出力タイプについては、外装へのRFIDシールの貼付の場合、30回の読み取り実験を実施したが、4アンテナタイプで読み取り率100%、1アンテナタイプでも100%だったとする。ただ、商品1つ1つに貼付した場合、RFIDタグの重なりが多くなり、汎用タイプのRFIDタグではほとんど読み取れないということが分かった。書類管理用のタグでは読み取り率は上がるものの運用が難しい。まずはRFIDシールを外装に貼付し高出力タイプのRFIDリーダーで読み取るという運用で、実運用に向けて進めていくことを決めたという。
水野氏は「実証実験を通じていろいろ見えてきたことがあった。ただ実運用に向けてはまだまだ不安が残るところも多い。特に読み取り率は100%を維持し続けないと本格運用が難しいので、この点はしっかり検証したい」と感触について述べていた。
今後は実装に向けた仕組み作りやRFIDタグの選定、生産現場への円滑な導入を目指し、社内の最適化やサプライチェーン全体の最適化につなげていく方針だとしている。「将来的には倉庫だけでなく、製造現場や販売店まで一貫してつないでいき、製品への安心・安全や信頼を高められるようなところまで目指していきたい」と今後の抱負について述べていた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.