検出距離2倍の近接センサーと取り付け治具で稼働率10%を向上FAニュース

オムロンは、検出距離が従来比約2倍の次世代近接センサー「E2E-NEXT」と取り付け治具「e-治具」を発売した。年間約1600時間もの設備停止時間のうち、約173時間を削減できるとしている。

» 2017年10月25日 07時00分 公開
[MONOist]

 オムロンは2017年10月2日、検出距離が従来比約2倍の次世代近接センサー「E2E-NEXT」と取り付け治具「e-治具」を発売した。価格は、「長距離タイプ」が7700円から、「スパッタ対策 長距離タイプ」1万1900円からとなる。

 E2E-NEXTは、同社独自の「サーモ・ディスタンス・コントロール技術」とアナログデジタルハイブリッドIC「PROX2」を搭載。出荷時に外部から温度補正値を書き込むことができ、温度変化の影響を最小限に抑えて安定的な長距離検出に対応した。検出距離を長距離化したことで、ワークとの衝突を回避し、設備停止リスクを低減できる。

 e-治具は、センサーヘッドの交換時に取り付け位置をワンタッチで固定できる。e-治具にはめ込むだけで同じ位置に取り付けられるため、近接センサーの交換時間を従来の約10分から10秒に短縮した。これにより、故障箇所の確認や装置の一部解体、センサー交換、配線、動作確認といった一連の復旧作業を平均約60分から約50分に短縮し、年間約1600時間もの設備停止時間のうち、約10%の約173時間を削減できる。

 自動車や自動車部品の工場では、1時間の設備停止が1000〜6000万円の大きな機会損失につながる。オムロンによるエンジン部品の製造現場の調査では、突発的な設備停止が年間約1600時間発生し、そのうち約15%の約240時間が近接センサーと検出物体との衝突や誤動作が原因であるという。従来の技術では、周囲の温度変化によって検出の安定性が損なわれるため、長距離検出は困難だった。

photo 次世代近接センサー「E2E-NEXT」
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photo 検出距離の長距離化により設備停止リスクを低減

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