新東工業は、炭酸カルシウムやタルクなどの不燃粉体を送ってダクト内火災を防止する定量供給装置を開発した。人手による運用ミスを防ぎ、供給量の履歴や難燃化材残量の管理を自動化している。
新東工業は2025年4月22日、炭酸カルシウムやタルクなどの不燃粉体を送り、集じんき機火災の主原因となるダクト内火災を減らす、難燃化粉体定量供給装置を開発したと発表した。同月中に販売を開始する。
同装置は、粉じんを難燃化する不燃粉体を、最適な量で、ダクト内部へ正確に供給できる。ダクトや集じん機内部の粉じんを安全に排出できるように、不燃粉体によって可燃性粉じんの性状を変化させる。人手による運用ミスを防止するため、供給量の履歴や難燃化材残量の管理を自動化した。
近年、カーボン微粒子やチタン微粉などの高機能微細粉体をはじめ、燃焼しやすい微粒子が発生する工程が増加している。工場火災のリスクが年々高まる中、防止策として着火源の除去や可燃物の排除、集じん機本体への難燃化対策などが試みられてきた。その中でもダクト内部に付着して堆積する粉じんへの対策は、ダクト内の定期点検や清掃が主な手段となっており、点検や清掃の頻度によってはリスクを抱えたまま運転する工場もあるという。
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